「実名・匿名問題」を再認識した

「ネットを実名にするべきか,匿名を守るべきか?」という問題にあまり興味がなくて,しっかり読んだことがなかったのだけれど,私が考えていたようなモノではなかったようだ.


所謂私の認識している「実名・匿名」の問題とは,「無責任な場(匿名)では,どこまでもダラダラしてしまう人がいる」とか「匿名では,誹謗・中傷を好き勝手に言う人がいる」から

情報発信する人の責任として、積極的に実名を明らかにしましょうということです。
ハンドル名だけでは足りません。こうした倫理は呼びかけていくしかないのです。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1082164.html

といった風に,実名にすれば,「責任感が出て,まともな発言をしてくれるようになるはず」という考え方に対して

「危険性が」「住所勤務先晒しが」「失敗したら取り返しがつかない」「アメリカと日本は違う」「それが有効なのは一部の特権階級だけ」
できない理由ばっかり探しちゃって…(女の子のイラスト付きで) - chanbaraの断片 - 断片部

と対抗する…ものだと思っていた.


しかし,先のエントリでも書かれているが

ネットで叩いている人は気分がよいでしょうが、それ止まりです。2ちゃんねるで嫌がらせをしても、その人の地位は上がりません。また、ポジティブに評価されても、それを収穫できません。こうしたネット社会では、若くて才能ある人が才能を発揮する場を狭め、現在社会的に高い地位にいる人にとっては好都合になります。
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1082164.html

とか,ビビリな若者たちよ!! 実名ブログで自分を「見える化」する勇気を!! | 日経 xTECH(クロステック)に対するエントリが解りやすく説明してくれているが

 及川さんが米国では実名でブログ発信するのが常識であり,ネットで検索した時に 名前が見つからないようでは,存在していないに等しい」と厳しい言葉を投げかけたのは,「ビジネスにおけるメールの役割」を議論するパネルディスカッションの中であり,また,「メールの署名に自己紹介代わりのブログが無い人は,どんな人かわからないので会いたくない」と警告を発したのは,パネラーによる指導希望者の方から事前に送って頂いたメールをもとに相手に「この人とは会って話がしたい」と思ってもらえるメールを書くためのアドバイスを行う過程においてです。
 つまり,インターネットを自分のビジネスに活かしていこうという人たちを相手に話をしている
匿名を批判するのは許せないという過剰反応: la_causette

のように,実名推進派から「ネットを利用して出世しようよ」とか「リアルに対してどんどんフィードバックしていこうよ」といった助言が出てきていた.
まぁ,この助言が今のネット民の支持を得るのは難しいと思うけれど…私は,実名推進派は「ネットは悪だ!」という考えをしている,ネットの可能性を全否定しているような集団だと思っていたのだが,そうでもなかったようだ.

個人的な実名・匿名問題

「何を言ったか」が「誰が言ったか」より重要な場において、名前というのはむしろ邪魔ですらある。ましてや名前とそれが暗示するものが優れた才能が世に出ることを妨げる機会が今でも少なくないことを考えれば、匿名で議論できる場を常に用意しておくことの重要性は何度強調しておいてもいい。
404 Blog Not Found:有名人こそ、匿名を援護せよ

と,えらくハードルを上げてもいいし,「匿名の無茶苦茶なコミュニティ”も”,別にあったっていいじゃない」…という感じ.(あまりにも,そのコミュニティの存在がリアルにとって害である,というのも解るけど)

(リアル側が)バカにしているネット側にいろいろと倫理やリテラシーを要求するのではなくて,頭の良いリアル側が,ネットの風評を上手く受け流すリテラシーを身につける,という方向で考えてみるのも良いのでは?
と無責任に考えている.