ラブライブ!を花田十輝から読む

ラブライブ!で全盛期の花田十輝を垣間見たので、この感動を誰かに伝えたくて書く。

虚実皮膜をゆく花田十輝

現在は、けいおんやらシュタインズ・ゲートやらで原作ファンの反感を買わずに、面白く、まともで、奇をてらったことをしない脚本家として認知されつつある花田十輝
しかし、彼はもともとロックで暴力的で人を驚かすことに注力しているような脚本家であった。


アイドルマスターゼノグラシア花右京メイド隊 La Verite、H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-、宇宙をかける少女、かしまし 〜ガール・ミーツ・ガール〜……


これらの作品は原作ファンの反感を買い、驚きに満ち満ちていて、物語の整合性なんかより視聴者に挑戦状を叩きつけることを主目的としていた。
ゼノグラシアでは原作を大幅に改変し、巨大ロボットとアイドルたちの三角関係を描いて反感を買った。
作品終盤では、巨大ロボットが元カノに「そんなに若い子がいいの?ねぇ捨てないで…」と言い寄られながら、今カノと新鮮なときめきを謳歌するという変な展開も見せていた。

H2Oでは、1クールアニメの11話で、「実は主人公は目が見えていませんでした。今まで描いてきた日常はすべて妄想です」と言い放ち、視聴者の度肝を抜いた。
作品序盤から精霊会議という主人公の妄想が日常のシーケンスの中でシームレスに描写されている作品で、どっからが主人公の妄想で、どっからが現実なのかよくわからない作りになっていた。結局、現実と思われていたシーンも含め「全部妄想でした」という展開になっていた。

宇宙をかける少女では、2クールアニメの後半で、主人公に「“宇宙をかける少女"なんて向いてないなぁ」と言わせて我々に不可視境界線の向こう側を魅せつけた。
作品としての根幹部分の否定、ディスコミュニケーション、伏線っぽいシナリオがまったく伏線として機能しないなど、既存の物語に対するアンチテーゼに溢れていた

そーゆー意味で前クールの「中二病でも恋がしたい」は、ロックな花田十輝らしかったと言える。
作品序盤では中二病であることに対して否定的で、中二病から脱却することが成長であり、良きこととして描かれているが、終盤では「結局世界すべてが中二病だし、成長とかそんなの幻想だ」という結論に行き着いている。

ラブライブ!花田十輝

さて、そんな花田十輝からラブライブ!の1話を見るとどうだろうか?
結論から言えば、主人公たちが直面している危機(廃校)も、語られる思い出もすべて最後の歌とダンスを見せるために用意された虚構ではないか?という話。

この、「ああ、これからいったいどうすれば」「どうすれば」「どうすればいいの?」「(歌)だって可能性感じたんだ、そうだ進め。後悔したくない。目の前に僕らの道がある」のシーケンスに突然突入するところは、どっからが本当にあった話で、どっからが脚色・後日撮り直した(と思われる)シーンなのかさっぱりわからない
まさに虚実皮膜なシーンである。


言ってしまえば、マイケル・ジャクソンのストーリーのあるPVのような作りをしているのではなかろうか?



「いつもjこーゆーことってほのかちゃんが言い出してたよね」「ほのかはいつも強引すぎます」「でもうみちゃん、後悔したことある?」のシーンで描写されるエピソードも説得力低い、でも流れとしては美しく、典型的で理解しやすい。これもPVによくある典型的でベタなシチュエーションである(図上段)。
また、冒頭の「なんだ夢かー(図下段左)」も今までダンスなんてやってなさそうな主人公が突然ダンスのレッスンを始めてたり(下段中央)、わかりやすい対立構図が描かれたり(下段右)……
とにかく作り物っぽさがパない

ラブライブ!で驚きを

ビルディングスロマンで展開に違和感の少ない、けいおん的なお話になるかと思いきや、実は脚色し(どこからが事実でどこからが脚色かよくわからない)、リアリティよりも物語の美しさ・テンポの良さを重視した暴力的な一話であった
今後はどんな展開を見せるのだろうか?
個人的期待を含めて以下に今後ありえる可能性を列挙してみる。

  • 実は主人公たちは廃校なんて状況に置かれてないし、高校生ですらないかもしれない。(根底の否定。H2O)
  • ヒロインが最終的に「私、アイドルに向いてないなぁ」と言い出す。(宇宙をかける少女)
  • 毎話、EDにつなげるためのPV的な作りになり、続きを見たかったらCD買ってね!的展開になる。(あのね商法再来)(2話でいきなり1話でなんの関係もなかったヒロインと一緒にアイドル活動していて、「夏は海にいってときめこうよ!」みたいな話からEDにつながる。)


どんな展開になるのかわくわくが止まらない。

2012作画MADまとめ

あけましておめでとうございます。
今年も良いアニメに出会えますように。

2012 Sakuga AMV Vol 16


2012 Sakuga AMV Vol 14


2012 Sakuga AMV Vol 13


2012 Sakuga AMV Vol 12


2012 Sakuga AMV Vol 11


2012 Sakuga AMV Vol 10


2012 Sakuga AMV Vol 9


2012 Sakuga AMV Vol 8


2012 Sakuga AMV Vol 6


2012 Sakuga AMV Vol 5


2012 Sakuga AMV Vol 4


2012 Sakuga AMV Vol 3


2012 Sakuga AMV Vol 1

サムゲタンにもちゃんとした演出意図があるという話

いろんなところで話題になっている「さくら荘のペットな彼女」 第6話.
本エントリでは,アニメ演出的な意図を考えてみる.

結論

問1:何故おかゆでなくサムゲタンにしたのか?
答:あのシーンで本当におかゆが出てきたら,ド直球すぎて恥ずかしさが増すので捻っておかゆ以外のもの(サムゲタン)にしている.


問2:では,何故ド直球でなく,捻ったのか?
答1:メガネ野郎の性格が直球じゃないから
答2:シリーズ構成が岡田麿里だから

「直球」から「変化球」へ

例えば,問題のサムゲタンシーン.
もし素直におかゆ三鷹仁(メガネ)が準備していたらどうだっただろうか?

上段左:おかゆ……作って置いたから持っていってやれよ.
上段中:抱き枕と喋っているところを目撃される.
上段右:おかゆを食べさせる
下段左:一晩中手を握ってくれてたんだね.
下段中:椎名に言われなかったら止めてたよ(キリっ)
下段右:才能に追いつくにはどうしたらいいんだろうね

何この恥ずかしシーンの連続!!恥ずかしすぎるだろう……


では,サムゲタンにするとどうだろうか?

上段左:サムゲタン作ったから持って行ってやれよ……「いやなんでサムゲタンなんだよ」
上段中:抱き枕と喋っているところを目撃される.
上段右:サムゲタンを食べさせる……「サムゲタンか……結構普通に受け入れるんだね.絵になってるのか何なのか…」
下段左:一晩中手を握ってくれてたんだね.
下段中:椎名に言われなかったら止めてたよ(キリっ)
下段右:才能に追いつくにはどうしたらいいんだろうね……「サムゲタンにツッコまずによく恥ずかしいシーンを……」

ほら,ストレートばっかりじゃなくて変化球を混ぜることで,恥ずかしさを緩和してるし
主人公や関西弁の娘の恥ずかしさが際立ってると思いませんか?


直球ばっかりだと引っかかりがない.緩急がない.
だから,変化球を使うのです.

三鷹仁というキャラクター

三鷹仁,このメガネ野郎は,キャラクター・性格的にストレートとは言いがたい.
本命の女がいるくせに,素直になれず,他の女と寝たりする.
本命の女の才能に嫉妬しているくせに,その才能を開花・成功させるために自分の進路を決める.
そんなコマッチャくれた精神構造をしているキャラクターが三鷹仁という男である.

そんな彼がそんなに簡単に直球どストレートを投げていいのか?
病気の女の子が寝込んだら,おかゆを作る……そんな安易な,ひねりの無い行動をしていいのか?
いや,よくない.
彼がどストレートに恥ずかしいことをするのは,もっと肝心な,もっと恥ずかしさがMAXなシュチュエーションであるべきなのだ.
こんなところでストレートを投げていい男ではない.

岡田麿里:「恥ずかしさ」には種類がある

岡田麿里は,「恥ずかしさ」に拘っている作家である.
青春の恥ずかしさ,恋愛の恥ずかしさ,悩むことの恥ずかしさ,自分に素直に生きるということを考えることの恥ずかしさ,素直になることの恥ずかしさ
様々な「恥ずかしさ」を今まで書いてきている.
特にド直球・どストレートに恥ずかしいことをすることが恥ずかしくなっているような,そんなコマッチャくれたキャラクターを常に作り続けてきている.

岡田麿里的に,恥ずかしさを最も典型的に「ド直球の恥ずかしさ」と「ド直球の恥ずかしさが恥ずかしくなったやつの恥ずかしさ」に分けて描いているのは「あの夏で待ってる」である*1

この作品では,ド直球に恥ずかしいことをやる主人公・ヒロイン・負けヒロインが居て
その上に,「直球が,恥ずかしいことを自覚している」そして「それでも直球を投げなければいけないシーンがあることを自覚している」キャラがいる(図右の二人).


主人公・ヒロイン・負けヒロインが常に恥ずかしい行動・セリフを言いまくり
それをクールな視点で見ているキャラがいる……という構造になっている.
そして,最後の最後でクールだった奴らもどストレートに恥ずかしいことをしだす(主人公・ヒロイン・負けヒロインに感化されてしまう).
そういった作品を作りたがっているのが岡田麿里である.


その岡田麿里という視点から,「さくら荘のペットな彼女」を見るとどうだろうか?

恥ずかしいセリフ・行動を平気でとりまくる主人公・ヒロイン×2
それに対して

常にふざけようとする二人.(主人公たちは至って真面目だが,この二人は笑ってる.三鷹仁に至ってはおっぱいもんでる)
もう分かるだろう.


岡田麿里は,この二人が最高に恥ずかしくなるシーンを用意している.
それまでは,できるだけクールに,どこかふざけた感じに描き続けるだろう.
おかゆなんか出しちゃ恥ずかしい奴になってしまうじゃん!という思考をするだろう.
そーゆー作家なのである.

さくら荘のペットな彼女がサムゲタンを出した意味は確定的に明らか - 藤四郎のひつまぶし
一話のましろを迎える鍋、四話の改めて空太を迎える鍋、そして六話の七海を精神的に迎える鍋(に見たてたサムゲタン)、とさくら荘のペットな彼女では、誰かを迎え入れる時には必ず鍋を出すと統一してる。
おかゆは普通鍋とは言わない(言わないよね?)。

という見方も演出的にはできるけどね

*1:監督:長井龍雪,脚本:黒田洋介

山内重保より 〜「新世界より」「アイドルマスター」「輪るピングドラム」「謎の彼女X」など〜

最高にかっこ良かった新世界より第5話.
マジで大興奮でした.
ということで山内節について書く.
特に,監督作品というよりは1話だけゲストみたいな感じでコンテ切ってる作品を中心に掘り下げていきたい.

色に注目して見る

山内さんといえば,この大胆な色使いが挙げられる.

(謎の彼女X9話)
これは謎の彼女X第9話山内重保コンテ演出回の色使い.
この回では卜部の嫉妬と椿の嫉妬を表すためにこんな色使いをしている.

椿くんの分かりやすい直情的な嫉妬は赤,卜部の静かに…でも青ほど冷淡ではない緑色の嫉妬.
色の選び方一つとっても意味があったりする.

(アイドルマスター9話,輪るピングドラム19話,謎の彼女9話,とある科学の超電磁砲9話)
こんな風に,画面の色調,タッチを変えて生じる心象の変化みたいなのを巧みに使おうというのが山内重保である.
普通の作家なら,こんなに絵の雰囲気を変えることはないのだが,山内は違う.大胆に,表現したいもの伝えたいもののために躊躇をしない.

であるから,この辺とかなんか意味している.意味していないわけがない.
俺の個人的見解としては緑は,大人びた朝比奈覚君を象徴している.あと安心とか安全とか,そーゆー色として使われている.

アバンの朝比奈覚君と二人きりの逃避行前は赤っぽい紫が象徴しているし(青沼瞬君含めて),毒ガスは紫だし,緊張感のあるシーンは青っぽくなっている.

あとボノボってるシーンの色合いとか,緑が基調としてあって,周りを青とか紫が存在感のある形で描写されている.
特に男根を象徴するトゲが紫(この回では危険なもの攻撃的なものの象徴色)になってるところとか注目どころ.
緑色の朝比奈覚君も男なのです.

顎に注目して見る


(アイドルマスター9話,とある科学の超電磁砲9話,輪るピングドラム19話,新世界より5話)
アニメや漫画において一番キャラ造形が破綻する角度からあえて撮る.
緊迫感(ハッタリも含めて),意味深なセリフ,覚悟,大人……そういった深みを出すときに多用するのが顎である.

神世界よりでも話題のボノボシーンで多用してきます.
これにより,エロさが増すし,すべてを分かっている感が出ている.

目に注目して見る


(アイドルマスター9話,ちはやふる20話,新世界より5話,輪るピングドラム19話)
片目だけ見せるカットというのも多用する.
閃いた瞬間,真実を見た瞬間,覚悟をした瞬間など,キーとなるシーンで使ってくる.

このシーンの朝比奈覚君にかばってもらったヒロインの片目→槍?→煽り(顎)なんて流れも超絶意味深.
朝比奈覚君に抱きしめられて安心してもいるし,ボノボの時より愛している様にも見える.
ボーっとしている煽りの顔も,爆発による影響なのか,エロさ(愛を浸っている顔)なのかよくわかんない.
槍が映るってのも象徴的.これについては下に記す.

槍に注目して見る

夢喰いメリーを山内重保から読む - WebLab.otaなんかでも書いてるけど
今回の二人は槍が象徴している.

一番わかり易いのは,この辺かな.
倒れこむ二人が映る前に倒れる槍が映る.
つまり,槍が二人を象徴している.


この槍はボノボった後(Bパート)から登場していて,二人が一心同体であることを象徴している.
だから,爆風でふっ飛ばされたら一緒に倒れるし,二人が絶望したら一緒に悲しい音を奏でながら落ちるし,二人が静かに寝ていれば静かに横たわっている.

その他


青沼瞬君の危険度はこの辺に出てる.この子の色は危険色の赤や紫に近い.

あとこのへんの運動描写なんかわかりづらいよね.こーやってピックアップすると
汗を拭って「ふーっ…やるぜ」って感じの絵であることは分かるだろうけど,カットの連続の中でこれを見るとよくわかんない.
山内回ではこーゆーわかりにくさみたいなものが散りばめられているし,現時点では判断できない「前フリ」みたいな部分が多くある.


色・モノ・カット.アップ.煽り……そーいった所にいつも以上に情報を載せてくる.
見逃さないようにしないとね.

マルチエンディングとアニメ ましろ色・恋チョコに至るまでの試行錯誤の歴史

マルチエンディングシナリオのゲームをアニメにする際の工夫についてと,今のトレンドみたいなもんを書く.
書く内容は下記な感じ.

従来型のアニメ化手法とその問題点:串団子型(KANON,東鳩)

KANON東映版2002年〜)とか東鳩(1999年)とかは,まさに串団子型のアニメであった.
主人公が,複数のヒロインを一人ずつ攻略していく……というマルチエンディングシナリオのゲームのアニメ化,そのまさに典型である.

特徴としては以下のような傾向が見受けられる.

  • 1ヒロイン,1話(複数話でも可)
    • 「誰々がヒロインの回」「担当回」なんて呼び方をされることが多い.
  • ターン制
    • 「1ヒロイン,1話」と同じだが,担当回のヒロイン以外のヒロインは必要以上に出張ってこれない.
    • ヒロイン同士で,「今私が主人公とイチャラブしてるんだから,邪魔しないでよね」「担当回が終わったんだから,おとなしく身を引きなさいよ」「担当回が来るまででしゃばって来ないでよ」という条約を相互に結んでいる.


この串団子型のアニメは,ゲームのシナリオをある程度維持でき,ヒロイン一人一人の魅力を十分に見せることができるという素晴らしい手法であったが
主人公が,一見親身に相談にのったり,アドバイスしたり,面倒くさそうなことに付き合ったり,愛のセリフを吐いたり……
毎話違う女を取っ替え引っ替えしながら,薄っぺらい行動を繰り返すことによって
「いくらなんでも不道徳すぎんだろ」という印象を拭えない点に問題があった.
毎回ヒロインのトラウマを解消したり,お悩みを解決したり,いい雰囲気のところまで行って,女に告白同然のセリフを吐かせておいて,次の話では振り返りもしない……
って展開で,2〜3人なら許せるが,5〜6人串刺しにしだすといくらなんでもやりすぎだろ?ってなるところに問題があった.

主人公の負荷分散 主人公の分割というアイディア:キミキス,俺たちに翼はない

で,主人公の過負荷な状況(一人で,5〜6人を攻略するという状況)を解消するために生まれたのが,「主人公の分割」というアイディアである.
典型的なのは,キミキス(2007年)である.
キミキスでは,相原 光一(ゲーム版標準・ドラマCDでの主人公名)という主人公が,アニメ版では,真田 光一と相原 一輝(元の名前を継承している)という二人の主人公に分割され
攻略するヒロインを分担する形を取った.

これは先の,串団子型のアニメの利点を踏襲しながら,その問題点だけを解消するという妙手であった.
(この手を使えるゲームにはそれなりの制限がある.しかし,その制限さえクリアできれば有効な手段である.)


また,俺たちに翼はない(2009年)も主人公の過負荷な状況を解消する手段を提示した作品として捉えることができる.
俺たちに翼はないでは,主人公の人格を分割することで,キミキスと同様に1人の主人公(人格的に)が攻略するヒロインの数を減らしている.(これは原作ゲームからそうなのだが)

オムニバス形式:アマガミヨスガノソラ

串刺しにするから,不道徳的なのではないか?という至極まっとうな思考から生まれたのが,アマガミ(2010年)やヨスガノソラ(2010年)である.
キャラクターを操作する(人格を操作する)という形からシナリオの形式・時間を操作することで,負荷を分散させようというアイディアである.

個人的にこの方法は,想像していた効果が出ず,「なんて外道な主人公なんだ……」という印象が拭えなかった.

解脱する主人公:祝福のカンパネラ

続いて,過負荷にも耐えられる主人公を作るという形でこの問題に向きあった作品が,祝福のカンパネラ(2010年)である.
この作品では,インポ(勃起不全)なのではなかろうか?と思わせるほど,性的に枯れた人物を主人公に据えることによって,
性的に迫ってくるヒロインが居ようと動揺せず,紳士に対応し
落ち込んでいる人(男女問わず)がいれば,全力で口説き(でも下心は無い)
何人言い寄って来ようと,罪悪感を覚えない……そんな超絶イケメンインポ野郎を主人公にした.

ある種の逆転ホームラン(負荷分散という観点ではなく,主人公を強くするというアプローチ).

【トレンド】ターン制の廃止と戦略の高度化:ましろ色シンフォニー,恋と選挙とチョコレート

で,最近のトレンドとしては,主人公が複数のヒロインを攻略するという視点ではなく,複数のヒロインが主人公を篭絡する……という方向にシフトしてきているのではなかろうか.
その一例が,ましろ色シンフォニー(2011年)であり,恋と選挙とチョコレート(2012年)ではなかろうか?
担当回,ターン制という法則を捨てて,すべてのヒロインが臨機応変に,相手(ライバルヒロイン)の出方を見ながら行動したり,高度な駆け引きを繰り返した末に,一番優れていたヒロインが主人公をものにする
……という形に.


例えば,ましろ色シンフォニーの第7話の紗凪がココアを差し入れるシーン.

このシーンでは,主人公に素直な態度を示せない紗凪が,まず(左図) みう先輩にココアを差し入れする.その後,うまくすれば主人公にもココアを渡して好感度を上げたいと思っていたが
(中央図) それに気づいたみう先輩が主人公に飲みかけのココアを渡す……という割り込みを入れて,紗凪のイベント発生を阻止して,(右図) 結果,一本余ったココアを愛理と飲む(紗凪惨敗,みう先輩圧勝)という流れになっている.

また,同7話において,(左図)紗凪が超頑張って,自分のことを呼び捨てにするよう主人公に強要したのに,(中央図)それを聞いたみう先輩は,(右図)のように主人公の肩にもたれ掛かり主人公を篭絡する……というみう先輩が圧倒的な優位をものにする.
こんな感じで,ましろ色シンフォニーという作品は,他のヒロインが一手打てば,それに対する対策の一手を打ち,敵(ライバルヒロイン)の動きを先読みした手を繰り出すなど,かなり高度な駆け引きを繰り返す作品であった.(他にもこういった駆け引きが散見された)


また,恋と選挙とチョコレートにおいてもその傾向が見受けられる.
4話の段階では,メインヒロイン(EDにメインで出てくるヒロイン=千里,美冬,未散,衣更,皐月)内で,敵であると認識しているのは

千里→美冬をもしかしたら警戒している
美冬→千里に恩があるので身を引いているが,実質ライバルと認識している.

という状況だけであったが,5話の下図により,衣更が美冬に補足され

千里→美冬(?) をライバルと認識
美冬→千里,衣更 をライバルと認識
衣更→なし をライバルと認識

第6話の下図により,千里が衣更に補足され

千里→美冬(?) をライバルと認識
美冬→千里,衣更 をライバルと認識
衣更→千里 をライバルと認識

第7話の下図により,衣更が千里と美冬に宣戦布告し,また,それに対して焦った千里はお風呂に押しかけてまで,主人公に迫ろうとする.

千里→美冬(?),衣更 をライバルと認識
美冬→千里,衣更 をライバルと認識
衣更→千里 をライバルと認識

といった感じで,ライバルが増えたことを認識すると,行動を起こしているように思える.
また,今後参戦が期待される,未散と皐月であるが,なんとなく動き出してはいる.

皐月は,姉が「早く本戦(千里,美冬のいる土俵)に早く行けよ!うかうかしてたら先越されるぞ!」って妹をけしかけているようにしか見えないし

主人公と皐月の関係を食品研究部として唯一認識しているのは,未散であって,彼女の動きも見逃せない.


みたいな?KANONの時代と比べると、ヒロイン勢がかなり積極的に動いている印象を受ける。

戦国コレクション 第7話 芭蕉回を読み解く 〜月,花,俳句が象徴するモノ〜

戦国コレクション第7話 芭蕉回が超絶に面白かったので頑張って演出意図を読み取ってみた.

はじめに

後藤圭二監督つーことで,警戒していたアニメだったんだが,5話以降結構面白い.
1〜4話まで後藤圭二がコンテやってて面白くない感じだった.
にも関わらず,第7話は後藤圭二コンテ回なのにスゲ〜面白い.
ショックを受けすぎて,見まくってたら,なんとなく演出意図がわかってきたのでメモる.

「月」 覚醒したときに背負う月

この回は,満月が象徴的に使われていた.
それが,覚醒したとき…キャラクターが今までの自分を吹っ切れた時に一緒の画面に映るモノとして使われていた.

画家,オカマ,店主の覚醒のときに月と一緒に映る・月を背負う.検証したが,彼らが覚醒前に月と一緒に映るカットはない.徹底的に月と一緒に映さない.
例えば,画家が夢を諦めていることを示すシーンでは,月が見えるはずの窓が閉じられている(左図).

ということは,月を背負う=過去の自分から解き放たれる.ということを意味しているように思える.
で,芭蕉が月と一緒に写ったのは,ホテルに来て,
「あばら屋に 降り注ぐ月 かわりなく」
という句を読んだ時が初.

後述するが,芭蕉が過去から解き放たれて,今を楽しもうと決めたのはここからだと思われる.

「海暮れて 鴨の声 ほのかに白し」

「蝙蝠も 出でよ浮世の 華に鳥」

実は,このシーン以外で,実際の芭蕉が読んだ句は使われていない.(私が調べた限りではたぶん)
「海暮れて 鴨の声 ほのかに白し」を読んだ時は,まだ過去にとらわれている.(まだ芭蕉が,「現代」を好きになってない)
「蝙蝠も 出でよ浮世の 華に鳥」を読んだ時は,過去が追いかけてきたとき.(織田信長がきた)
という感じで,実際の芭蕉が詠んだ句=過去にとらわれている芭蕉を意味しているとおもわれる.
で,この使い分けは,上述した「月」の演出と符合する.

  • 生前の句を読む(海暮れて…)→月を背負う(以降生前の句は使用されない)→信長登場(過去が起きかけてくる)・生前の句を読む(蝙蝠も…)

芭蕉=関わった人を変えるモノ」ではなく,芭蕉も変わっている

一見してみると,この回は,芭蕉という外部・変化をもたらす者が入ってくることによって,オカマ・画家・店主が変化していく物語に見えるが,実は違う.
月,俳句の演出を踏まえると,さいはてカフェに来たことによって,芭蕉も変わったと見るのが打倒である


アバンのこのカットの流れで表しているのは,紫陽花・鳥居・電車のある風景を見ても,芭蕉は現代が「げにおもしろき」とならなかった.(心はまだ過去にある)
で,さいはてカフェに流れ着いてようやく現代を楽しむことができるようになった……という話だったんじゃないのかな?

花,貯水タンクが象徴するもの

まぁ花は分かりやすいよね.
最初,芭蕉だけが前を見てるから,1輪咲いている.(さいはてカフェに来て,月を背負うことで覚醒→1輪咲いている)
で,店主・ダンサー・画家が少しずつ変わってくると,咲きかけの花が3つ登場.


では,貯水タンクは何なのか?
最初っから,この回は貯水タンクが象徴している.(やたらと貯水タンクが映るから)

で,無理やり考えると,夢敗れたモノが集う場所(流れ着く場所・留まる場所)・そして,いつかは流れていくモノ(前を向いて,進んでいくもの)っていう象徴なんじゃねーのかな?
つまり,貯水タンク=さいはてカフェそのものを指している……のかなぁ〜

「水」

一時的に貯水タンクにたまるけど,流れていくもの(前に進むもの)
「小さき花 水を得てなお 生きんとす」

「さぁお飲み 育て育て 元気よく」

花を育むもの.
たぶん,そーいったものの象徴。

モーレツパイレーツが面白すぎるのでちょっと本気出す

モーレツパイレーツが面白すぎる.ここ数年で最高に面白い.
夢喰いメリーよりウシロシンジより興奮している.今のところマジでシムーン以来の興奮度合い.
で,とりあえずSF的興奮に関してまとめてみる.
(このアニメはいろんな魅力があって,SF的にも面白いし,演出も面白いし,百合的にも面白い)
(あと,私は原作一切知らない.Wikiも見ずに,できるだけアニメのみの情報でどこまで解釈可能か?って遊びをやっている.)


ちょいと長いので目次

  1. オデット二世=ステルス機
    • オデット二世が細長い理屈,オデット二世の司令室が無重力な理屈,他
  2. 通信技術
    • 通信遅延の問題,王族に伝わる秘密の方法とは何か?
  3. 宇宙服
    • 姿勢制御,命綱は?,羽の無い扇風機
  4. ワープ航法
    • この世界のワープの技術力って?,ワープの種類
  5. 重力制御

オデット二世=ステルス機

  • 「初は実験船,その後は輸送船,調査船で独立戦争の時は…武装商船(海賊船のこと)?(2話)」


って形でオデット二世の説明がされます.面白いことがいろいろ書かれていて楽しい.
「白鳥号の武器は,その隠密性,エネルギー反応の全く出ない太陽帆船で神出鬼没,超強力な電子戦装備によってステルスも万全……」
ってことなんかが書かれている.
この新聞以外でこーゆー説明ほとんどしてくれないけど,絵的にいろいろ推測できるところがあるので,以下に書いていく.

オデット二世が細長い理屈→ステルス性能に関係が?


超かっこいいオデット二世(左図).Nノーチラス号な雰囲気.弁天丸(右図)に比べてかなり先に行ってる感じのデザイン.
で,何故こんな形になっているのか?
まず考えられるのは【可能性1】レーダーに映りにくい船影にしているのではないか?という予測.
また,【可能性2】燃費がいいのかも知れない(この戦艦はソーラーセイルを使っていて,通常の推進剤を使わなくても航行可能な設計をされている.つまり長時間の補給なしでの航行が可能なように設計されている)
後述するが,【可能性3】太陽光の投影面積が少なくできるという利点も考えられる.

●太陽帆船=ステルス
  • 「今の状況でエンジン吹かしたら光学照準だけじゃなくて赤外線センサーにまでこっちの位置が知られちゃう(5話)」

ということは,通常推進を使うと赤外線センサーに映る →つまり帆船(ソーラーセイル)だと赤外線センサーには映らない.ソーラーセイルは熱を発しない.
この結論は若干疑問.そりゃ通常推進するよりは熱を出さないかも知れないが,太陽光受けてるわけだから熱は出ると思う.
とりあえず,赤外線センサーには映らない程度の熱量に抑えられる…という意味なのかも知れない.
低温 慣性航行 < 太陽帆船 < 通常推進 高温
の順になるのだと思う.
(上で紹介した新聞に同じことが書かれているが,この設定に関しては劇中で説明したことになる)

●オデット二世が細長い理屈第二弾
  • 「あれ?赤外線反応が上がってる」「あたったんじゃない?」「太陽ジャストヒット?」(5話)

太陽光を浴びすぎると当然のように船体表面の温度は上がる.
オデット二世が細長い理由はここにもあるかも知れない.つまり,船体方向を変えれば,太陽光に対する投影面積を少なくできる形になっているのである.
帆を畳んで,船首を太陽に向ければ,太陽光の投影面積は極小になるように設計されているのかも知れない.

オデット二世の司令室が無重力な理屈→ステルス性能に影響が?


オデット二世の司令室はこれまた超先進的.
弁天丸のような古い形の司令室ではなく,細長い船体を効率良く使うために無重力を利用した縦長のデザイン.
で,このように無重力を利用している理屈は,ステルスの性能にあるのではないか?例えば…

  • 護衛艦6隻がそれぞれの超高速機関を使って時空震震源に揺さぶりをかけた場合,かなりの高確率で黄金の幽霊船が出現します」

このセリフから分かるのはワープを使うとその時空が歪むということ.
同様に重力発生装置を使うと時空なり何なりに影響を与えるため,観測されやすくなると思われる.

  • 「高重力源複数…じゃなくて,リング状の高重力源が発生」(11話)

なんてセリフもあるし,重力いじると観測されそう.
だから,オデット二世はできるだけ重力の必要のない設計にしてあるのだと思われる.
つまり,艦長室の重力を消して,船首を太陽に向けて居れば,オデット二世は限りなく発見が困難な小惑星になる……のではなかろうか?

通信技術

1話から8話までの中で私が一番理解できないのがこのセリフ.

  • 「(特書が届いたの)いつ?」「聞いてくれると思ったわ」「発信履歴を見ると昨日船長が海のあけ星に帰ってからの発信時刻になってる」「保険組合に連絡してからか」「それにしてもセレニティの対応が早すぎない?(8話)」
    • 時間の流れ:(前日)シンフォニーエンジェル襲撃,お姫様登場,セレニティ星王家からグリューエル失踪の報道(この報道で既にシンフォニーエンジェルが海賊に襲われていることを星王家は知っているっぽい),保険組合に連絡,海のあけ星に帰還
    • 時間の流れ:(本日)グリューエルを中学校に編入させる,星王家から特書が来たことを茉莉花が知る(今ココ)


この状況で一体何が早いのか?「聞いてくれると思ったわ」の意味するところは何なのか?
最初は,通信遅延の問題だと思ったがこれは違うっぽい.
俺の考えていた通信遅延の問題はこんな感じ.

●仮説1
  • 通信遅延の問題:セレニティー星系がかなり遠くにあり,メッセージが届くまで何日もかかる.にもかかわらず昨日の今日で通信が来るのは早すぎる……
    • だから茉莉花は時間を気にした.(早すぎるってことはセレニティ王家が,グリューエルの居場所を最初から知っていたことになる)
      • ワープがあるので距離がいくら離れていてもすぐに通信できるだろう…というツッコミに対しては,後述する「ワープ」で書く.
  • 通信遅延の問題が否定される理屈:グリューエル失踪の報道でシンフォニーエンジェルが海賊に襲われた(護衛艦に迎撃記録がある)ことを知っているため(下図参照).


この予測が否定されることで分かることは,以下の2つ.
【可能性1】通信はどれだけ離れていてもラグなしの技術がある
【可能性2】セレニティーは近い場所にある(ラグが顕在化しない程度に近い).
こーゆー風に可能性を考えて,反証を得たら潰していく……というのがこのアニメの検証方法である.
で,話は戻るけど,一体何が早いのか?

●仮説2

今度は,技術的じゃない方向で「何が早いのか?」を考えていく.
結論から言うと,グリューエルの企みがセレニティ王家に筒抜けであったか,特書を送った人がグリューエルの企みを知っている人間=グリューエルの味方であるかが,「早さ」によって分かるから,「何時届いたのか?」を茉莉花は気にしたのではなかろうか.


<説明>
まず,特書を送った人がグリューエルの企みを知らなかった(グリューエルの失踪報道以上のことを知らない人なら)と仮定して考える.
ここで言うグリューエルの企みとは以下の通り.

  • (1)シンフォニーエンジェルに乗り込む
  • (2)保険会社を通じて弁天丸(ご指名)にシンフォニーエンジェルを襲うように依頼する
  • (3)弁天丸に乗り込むまでの時間稼ぎ(弁天丸をハッキングするまでの時間稼ぎ)を護衛艦に依頼(これ若干微妙)

のことを指している.
で,先の仮定で考えると,セレニティ王家は
1. 上の新聞にあるように,シンフォニーエンジェルの防犯カメラからグリューエルを探し,2. 海賊船に襲われてないとシラを通そうとする護衛艦(*)を説得し,3. 襲った海賊が弁天丸であることを調べ上げる必要がある.
これを,数時間(発信履歴では弁天丸が海の開け星に帰ってきたころになっているため)で調べ上げるのは無理(セレニティ王家から調査のための人を出す時間とかもろもろ勘定して)
なので,特書が届くのが早い=発信者はグリューエルの企みを知っていたとなるため,茉莉花は時間を気にした……というのがとりあえず今現在の結論.
(この結論は,グリューエルがセレニティ王家に相談の上で,弁天丸に来た……という可能性を無視しているわけだが)


(*) 「護衛艦に迎撃記録がある」と新聞には書かれていて,「護衛艦が海賊船に襲われたと報告してきた」と書かれていないので,護衛艦には「グリューエルを逃そうとする意志がある」と私は思っている.ついでにグリューエルの企み(3)で書いたように,3隻の護衛艦はグリューエルの味方っぽい.

  • 「それにしてもセレニティの対応が早すぎない?」(中略)「まさか,そのきな臭いところ私が直接グリューエルから聞き出せってそうゆうこと?」

仮説2を考えていたら,図らずもこのセリフまで合点がいった.
つまり,「特書を送ってきたのはグリューエルの味方か?」「王家にバレるようなことをした記憶はないか?」みたいなこと聞きたいんじゃないのか?

●セレニティの王族に伝わる秘密の方法とは何か?
  • 「王宮に連絡メッセージを送ったところまで…」「え?王宮に?直接ですか?」「はい.セレニティーの王族に伝わる秘密の方法を使って」

実はこのセリフもわからない.上述した【仮説1】が正しければ,秘密の方法=通信遅延なしの通信手段なんじゃねーか?と考えてたけど……う〜ん,なんだろう.

宇宙服

●姿勢制御,命綱は?

  • 「今の宇宙服はこんなんなっているのかよ.安全確認までフルオート」(3話)

とか言ってるけど,命綱は?どうやってお前ら進みたい方向に飛んでるの?スラスターノズルとか見当たらないんですけど?
ってツッコミ満載だった第3話の宇宙遊泳.宇宙空間に出る前の減圧まで描写しているのに,このシーンはすげー驚いた.
(「減圧が早すぎる,予備呼吸もないのかよ?」ってツッコミに対しては,ロケットガールというアニメを見ることをオススメする.あれは,服内気圧を調整すればなんとかなる!減圧による急激な温度変化やもろもろもスーツにヒーターとか付いてればなんとかなるはず!理論を提唱している)
しかし,そんなところでミスをするような人たち(アニメ制作陣)ではない.何故なら…

このように,宇宙空間にロープが引っ張ってある(手すりのようなもの)(*)し,弁天丸にある古い宇宙服には姿勢制御用のノズルが付いているからである.


(*)このアイディアはガンダムで見たことあるよね.逆シャアだっけ?このアニメはいろんなSFアニメのSF要素てんこ盛り.
ロープはガンダムだし,スーツはロケットガールだし,後で出てくるワープのギミックは星界シリーズの平行宇宙っぽい.


では,どうやって姿勢制御とかしてるのか?命綱なしで平気な理屈は?……現在のところ不明.

●羽の無い扇風機


これが羽の無い扇風機だと思う理屈は,一つだけ.

  • 今のところ空気のあるところでしか使ってない

以上.
もし,空気がないところで使い始めたら,

或いはイオン推進とか未来の科学で動いているのか。
▼記事▼:『モーレツ宇宙海賊』のダイソン扇風機みたいなスラスターやメカニカルディスプレイといったSF技術に舌鼓。 - こいさんの放送中アニメの感想

ってことを考える.

ワープ航法

(そろそろ書くのが疲れてきた……)

●この世界のワープの技術力って?

  • 「豪華客船プリンセスアプリコット号は,先ほど12回目の超光速ドライブを無事終了.(6話)」
  • 「超光速跳躍(11話)」

この超光速ドライブと超光速跳躍の言葉の違いが何を意味しているのかは分からないけど
12回目の超高速ドライブってのは引っかかる.
もしかしたら,この世界のワープは,1回で飛べる距離に制限があるのかも知れない


通信技術:仮説1で書いた,「ワープがある世界なのに通信遅延が発生するとは如何に?」に対する答えはコレで
1回でワープできる距離に制限があるため,遠くに行くためには,ワープイン・ワープアウトを繰り返していく必要がある.
当然,通信も同じようになるため,遠い距離と通信する場合には遅延が発生する可能性がある.

●ワープの種類

  • 「確立的量子論と多元宇宙理論を同元時空で計算してつじつまを合わせた」(12話)
  • 「拡大した重力リングに追い越されたの」「実体はないのに,重力源だけが半光速で追い越すなんて…」(11話)

とか,「黄金の幽霊船は超光速ドライブが開発される前に出来たもの→だから,恒星間航行にはコールドスリープがいる」って設定から推測すると

  • 黄金の幽霊船は,超光速ドライブはできないけど,亜空間に入ることはできる(亜光速で).
  • どっちがどっちかわからないけど,超光速ドライブは多元宇宙理論,亜空間に入ることができるのは確率的量子論……みたいな関係になっている.(語感から左の関係だとは思う
    • (妄想設定)黄金の幽霊船は,亜空間に入って亜光速で飛ぶことが可能.亜空間に入っている状態だと通常空間からは観測できない.(亜空間からのイン・アウトのタイミングでなら観測可能っぽい).この設定に関しては後日改めて語りたい.

重力制御


この世界の重力制御技術はどの程度なのか?
まず,自転しなくても重力は発生させられる様子(弁天丸の司令室(中央図)や,プリンセスアプリコット号(右図)にある).
で,さらに,局所的に重力を発生させることも可能な様子(左図.オデット二世の艦長室.司令室や通路は無重力だけど,艦長室には重力がある).

で,さらにさらに,この辺の描写を見ていると,部屋単位よりもっと局所的にしかも,短時間だけ重力を作れそうな感じがする
何故なら,

  • オデット二世の司令室の中央に浮いているときは髪の毛が揺れてるけど,端の地面に着地すると髪の毛が揺れなくなる(図上段)
  • どう考えても抵抗がありそうな空間(図下段).静止している状態から何も掴まず向き変えて,加速したりしてるし……アンバック機動とかかも知れないし,すごい密度の空気なのかもしれないが.

AMBAC - Wikipedia
AMBACは、宇宙空間において可動肢の一部分を高速で動かすことで発生する反作用を、モビルスーツ(MS)やモビルアーマー(MA)の機体全体の姿勢制御に利用するものである。

この辺の辻褄をあわせるためには,まだまだ材料が足りない感じ.


あと,どこまでを”アニメの嘘”ってするのかも微妙なところ.

  • ウラシマ効果
  • 宇宙で瞬く星
  • 宇宙空間で光が回り込んでる
  • 無重力の表現(人の向きが揃ってるとことか)


あたりは,たぶんアニメの嘘を使おうと思っているとは思うんだが……それ以外はどうなのか?
これも材料が足りない感じ.


今回ちょっと長いな.続きはまた今度書くとしよう.
とりあえず,モーパイ超面白い.