律はけいおん!の中で母親的役割を担っているという話

けいおん!という物語の中で律というキャラクターは,物語を始動させる「鍵」のような役割や,ほかのキャラクター(特に澪)を成長にさりげなく導き,そしてそれをやさしく見守る母親的役割を担っているという話.

第1話:部の立ち上げと澪・紬・唯の入部

すでに第1話で律は,この役割をこなしている.
まず,軽音部結成を強引に立ち上げ,澪と紬をAパートだけで入部させている.

図は,澪に対して「ずっと,一緒にバンド組もうねって…約束してたじゃない!」と訴えているシーンだけど,ここで一瞬紬のほうを見ている.
律はこのとき明らかに,澪だけに軽音部に入ってほしいと訴えているわけでなく,紬に対してもアピールしている.
いや,むしろ,合唱部に入部を希望している紬に,軽音部に興味を持ってもらおうとして,この小芝居をしている
そして,この目論見は功を奏して,澪・紬ともに軽音部に引き込むことに成功している.
もちろん,唯を入部させる決定打である「演奏」を聴くように誘導したのも律である.(「私たちの演奏だけでも聴いていって」)

律によるキャラクターの操作

この律による「キャラクターの操作」とも言える言動・行動は至る所に散在する.

5話でさわ子先生を軽音部の顧問にしたときもトドメを刺したのは律であったし,梓が登場する前に軽音部メンバーの親密度を再確認した9話のクリスマス会を提案したのも律である.
また,何故彼女たちはバイトをする必要があったのか? 〜けいおん!〜 - WebLab.otaで述べた2話のバイトを言い出したのも律である.

また,10話でも律による「キャラクターの操作」は健在で,梓を軽音部と打ち解けさせるために挑発したりもしている.

澪を見守る母親としての役割


「バイトなんて恥ずかしくてできない」という澪に対して,やさしく理解を示してあげたり,「軽音部のために」と勇気を振り絞って決意する澪をやさしく見守り,澪の成長を喜ぶ姿はまさしく母親そのものであるし
6話の学園祭でのライブを前にして極度の緊張状態にある澪を見て

左図のような心配そうな顔を見せて,緊張をほぐす為に話題を変えて盛り上げようとする姿もなんと健気であろうか

あえて,「笑いものになる」ことで澪の緊張をほぐしてあげようと努力し,笑っている(緊張から解き放たれた)澪を見て,やさしく微笑む彼女はとても母性的である.

特に,ライブ終了直後の「これで澪も恥ずかしがりを克服できそうだな」という台詞からは,母性愛まで感じてしまう.


最近,澪の株が下落して,律の人気が急上昇中だという話を聞いた.
たぶん,薄っぺらい記号的な澪のようなキャラクターは取っ付き易く,手っ取り早く人気を集めることができるけれど,一見わかりにくいかも知れないが,深みのある律のようなキャラクターのほうが魅力的であるということなんじゃないかな?と思ったりしてる.




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