タユタマ 9話における2大ヒロインの対比
タユタマ-kiss on my deity- 第9話「硝子の向こう」が面白い〜ワタナベシンイチのシリアス〜 - あしもとに水色宇宙
http://d.hatena.ne.jp/gavblog/20090601/1243883646
と,一部の人間がすでに盛り上がっているが,タユタマ第9話について書く.
書きたいことは,アメリとましろ(この作品の2大ヒロイン)の対比についてである.
上と下
本作品では,アメリとましろがありとあらゆる点で対比されている.
その対比の中でもっとも印象的なのが,ましろのイベントは低い位置(家の中とか納屋とか)で発生し,アメリのイベントは高い位置(観覧車の中とか東京タワーの展望台とか)で発生する…というものである.
(図上:ましろのイベント.図下:アメリのイベント)
ましろ(人外=非日常)は日常(低い場所)に幸せを感じているのに対して,アメリ(人=日常)は非日常的な場所(高い場所)に行って自分を追い込まないと,主人公に「告白」できない(幸せになれない)…といった対比になっている.
安定した構図と不安定な構図
ほかにも第9話では,この二人を,遊びに行った帰りの電車の中で,下図のように差別したりもしている.
これらは,主人公と一緒に映っている/いないだけでなく,車内カメラ←→車外カメラ,水平←→俯瞰といった違いもある.
また,上のキャプではわかり難いけれど,アメリの画面のほうは動線が入っていたりもする(速度がある).
無音と有音
また,第9話の中で劇伴(BGM)が突然なくなって,無音に近い状態になるシーンを集めると…*1.
うん,アメリばっかり.
この突然劇伴が消えて,絶望したり,決意したり,嘘をついたり…っといった「心の動き」を浮き彫りにさせるという演出が使われるのはアメリだけになっている.
背景による対比
さらに第9話では,背景でも二人を対比させている.
このように,上段のましろの背景は,とにかくごちゃごちゃしていて騒がしい感じになっている.
一方下段のアメリの背景は,なんだか寂しい感じになっている.
そして,このアメリの「寂しい背景(が象徴する,アメリの気持ちが主人公に伝わらないという絶望感)」が頂点に達すると
こんな感じで,1カットまるまるアメリの心象風景(中央図)になってしまう.
(警報機は,物語に危険が迫っていることを表しているし,もちろんアメリの心が限界に達したことも意味している)
ワタナベシンイチ演出
前半はいつもどおり自分出したりふざけてたんだけど,後半のガチっぷりには正直驚いたw
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*1:厳密に言えばこれらのシーンは無音じゃない(ボイラーの音とか入ってるので)