タユタマ 第2話で多用されている横向きの画面の意味

タユタマ第二話では,下図のように天地が90度傾いている画面がよく出てきた.(計6回使われた)
今回は,何故このような画面を使っているのか?や,これらが何を表現しているのか?について考えて行きたい.


(これらのカットは全て,脚から頭に向けてPANしていくものになっていた)

天地軸を90度回転させることで得られる効果


 天地軸を90度回転させることで、「上のキャラから下のキャラへの」自然な重力が感じられるようになって、《彼女の口から/言葉が落ちてくるのを》というナレーションの「落ちてくる」という言葉通り、上から降りてくる言葉を下で受け止めるような気持ちになれるレイアウトになっている。


 気持ちの比喩でしょうけど、髪の毛も下向きにたなびいてるように描かれてますね。
漫画的にキマった構図の気持ちよさ/ネットで読める『みかこさん』 - ピアノ・ファイア

『天地軸を90度回転させることにより,物語世界の重力と我々の世界の重力がずれる.これを利用すると,我々の世界の重力に意味(ここでは「言葉が落ちてくる」)を付加することができる.』
この考えを今回の横向きの画面に適用してみる.

体重や抱きつく力


「画面の中の重力」というのはアニメの中の重力を表していて,「画面の外の重力」というのはアニメの外,我々の世界の重力を表している.
そして今回,「画面の外の重力」は体重や抱きつく力を表している.

圧力


この場合は,圧力を表している.また,構図的に「ヒロインたちを見下ろしている」・「ヒロインたちより立場が上」という状態も表している

視線.そしてそれを受け止める・受け入れるモノ


これは,学園長(図の女性)がヒロインに対して「学園に入学してほしい」と言うシーン.
ここでは,「画面の外の重力」がヒロインの視線・存在を表していて,学園長がそれを受け止めるという形になっている.

非難・圧力


雑感

深夜の低予算アニメというものは,キャラクターを動かせないため(予算の都合上),基本的にPAN・ズームの連続でお話が進んでいく.
しかし,代わり映えしないPAN・ズームばかりではつまらない.
……ってんで生まれたのが今回の「画面を横向きにした変な横PAN」
結構面白い実験だったと思う.




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