けいおん!(アニメ)は原作とテーマが違ってきているって話と花田十輝

何故彼女たちはバイトをする必要があったのか? 〜けいおん!〜 - WebLab.otaのコメント欄から引用
そもそも原作漫画ではバンドに対するモチベーションがそんなに高くないんですよ。合宿に行けば練習せずに即行で遊ぶし、ギターの練習をしばらくしてなかったからコードを忘れたりする。それこそあずにゃんがマジギレするくらいバンドに対するやる気がない(その後で彼女たちなりにマイペースにやってるよとフォローはされてましたけど
ここから考えると原作漫画のけいおんはバンドに対して高いモチベーションを持たない女子高生達がゆるーく部活動としてのバンドを楽しむという漫画なのだと思います。
(中略)
これに対してアニメのけいおんはバンドに対して高いモチベーションを持つ女子高生たちによる部活動ライフという路線で進められています。言ってみれば原作は趣味でバンドをやっているんですが、アニメだと将来プロを目指してるのかってぐらい熱心にバンドをやっているんですよ。だからバンド活動が話の中心になりますし、バンドは外すことのできないメイン要素として描かれている。

だぁぁ!!!米欄に言いたいこと先に書かれた!
しかもはてブ)まで付いちゃったよ.


仕方がないので,このコメントの続きを書こうと思う(花田十輝を絡めつつ).

第二話は花田十輝を登場させるための下地づくり

私はこのコメント欄の意見にほぼ同意する.
つまり吉田玲子は,第二話で「原作と違うものを作りますよ」,「テーマを変えますよ」というアナウンスをやったわけだ.
第一話で,原作が描いていない部分を膨らませて,しかし原作の雰囲気を残した脚本を書き,第二話で,第一話同様にできるだけ原作の雰囲気を残しながら,さりげなくテーマ・物語の方向を変えた


これはおそらく花田十輝に4話・5話を担当させていることと無関係ではあるまい
花田十輝は,H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND-やアイドルマスター XENOGLOSSIAで知られる原作ブレイカーの達人で,wiki

花田十輝 - Wikipedia
アニメの脚本では、原作の雰囲気とはまた違った、もしくは大きくかけ離れた独自の世界を構築する特徴がある。そのため、原作の雰囲気やエピソードやストーリー展開を重視する傾向のある原作ファンから、ネット上で槍玉にあげられることがある。

と書かれてしまうぐらい,一部の人々に嫌われている人ではあるけれど,非常に優秀な脚本家だ.
今から楽しみで仕方がない.


まぁもともと今回の「けいおん!」という作品は,悪しき京アニをぶち壊せ!女性スタッフ中心で作られる「けいおん!」 - WebLab.otaでも書いたけれど,女性スタッフ中心で作られ,京アニには珍しく(つかはじめてかも?)外部からシリーズ構成(吉田玲子)を連れてくる…と, 「今までの京アニではないものを作ろう」という意思が見えていたわけで(はてブ米で志茂文彦は外部だという指摘を受けた.そーいやそうだ.でもあれは京アニファミリーでいいだろうw)
ここまできたら,「原作を忠実にアニメ化する安心の京アニブランド」という”殻”もぶち壊す気なんだろうとか勝手に考えてる.

紬の動機が未だ不十分

もうひとつ語っておきたいことがある.それは紬の動機が未だに不十分である…という点だ.


律・澪そして第二話における唯は,バンド結成に積極的である.
律はここまで軽音部を引っ張ってきたし,澪は唯のギターを買うためにバイトをする決意をし,唯は「一日でも早く練習して,みんなと一緒に演奏したいもん」と言っている.
しかし,紬はそれほど積極的でない
軽音部に所属しているのは,「めったに出会えない.とっても楽しくて愉快な人たちの仲間になりたい」からであったり,けいおん! ポテトと値切りのくだりの解説 吉田玲子の本領発揮 - karimikarimiで詳しく解説されているが,「俗っぽい物への憧れ」が主な動機である.


これはおそらく問題になってくるのだと思う.
まだ「バンドものの物語」が本格的に始動しはじめていないってのもあって,問題として浮上してきていないが….

  • 普通の女子高生と社長令嬢.
  • バンドに対して積極的な三人とそうではない紬.
  • 唯とに至っては,音楽初心者と音楽経験者という対比まで存在する.

これは「紬が真の仲間になるために乗り越えなければならない壁」になってくるのだと思ってる.


(以下,妄想)

第四話「合宿!」の予想

けいおん! - アニメスタッフデータベース
■4話 (4/23)
合宿!
澪の提案で、軽音部は学園祭ライブに向けて夏合宿を行なうことに。
紬の豪華な別荘でやる気をみなぎらせる澪だったが、
唯と律は海で遊ぶことしか頭になく……。
≫脚本=花田十輝 演出・絵コンテ=石立太一 作画監督=秋竹斉一

予想1:まぁ大方の予想通り4人が喧嘩する展開になる.

(原作にそんな展開はないですが,基本的に「人と人が理解し合うためには喧嘩(殴り合い)しなければならない」みたいな展開多いですからね,花田十輝先生は)

予想2:上述した唯と紬の対比が噴出する

「私,むぎちゃんとは違うもん!!」みたいな台詞を唯が吐く.


唯・律・澪の三人が何かが原因で喧嘩して,紬が唯を宥めに行ったときに,唯が「むぎちゃんには,わたしの気持ち…わかるわけない!!」って捨て台詞を吐いて走り去るって展開になる.


(こーゆーアホな予想をするのは楽しい)



花田十輝氏の脚本の特徴について - TinyRain