WHITE ALBUMの背景が語るもの

第四話の口


この話は「主人公と由綺が待ち合わせ場所でお互いを探し合い,すれ違いを繰り返す」って話だったんだけど,やたらめったら「出口」が描写される.
上の図は出口が描写されてるカットを全部並べている.
異常なぐらい多いことが分かってもらえると思う.


で,最終的に「入口」で二人は出会うことになる.(左に小さく,今まで出てこなかった「入口」とある)

由綺=産そして死


ここからさらに背景が五月蠅くなってくる.
まず,二人は伊吹(いぶき)町駅前で出会えて,不動の看板(しかも「女性歓迎」とも書いてある)の前で抱き合う.
それから昔の下校風景を思い出す.
そのシーンの背景には,やっぱり不動の看板があったり,葬儀屋の看板や産婦人科の看板まであったりする.

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「無意識の欲望(※性の欲望と死の欲望)」を視覚化したかのような「看板の文字」

南口=緒方理奈,北口=森川由綺

この話では,というかこの作品はいろんなものがキャラクターとリンクしている.
まず,方位とキャラのリンクがある.


緒方理奈が待ち合わせの駅に着いたシーンの後には南口が映される.

そして,主人公が緒方理奈のことを思い出したシーンの後に映し出されるのも南口.


また,森川由綺が主人公が出て行ったあとの駅に到着したシーンは北口.

主人公が,後ろで電話している由綺に気づかずに行ってしまうシーンのカットもやっぱり北口.


このリンクがどこまで徹底されるかわからないが,東や西には誰が配置されるのだろうか?

アナログ=森川由綺,デジタル=藤井冬弥


さらに,このアニメではよく時計を見るシーンが描写される.(図は,1話から6話までの間で,時計を見るシーンを集めてみた)
しかし,文字盤が見えることは稀である.
というか,個人の持っている時計で文字盤を視聴者が確認できるのは,主人公と由綺だけである.
そういった意味でも,彼らはほかのキャラクターと差別化されている.
しかも,彼らの中でも,主人公はデジタル時計,由綺はアナログ時計という区別があったりもする.

何を表しているのか?

由綺の後ろにある看板は,彼らの恋愛が始まりを迎えたことと,予定されている終わりがあることを暗示しているのか?
アナログとデジタルは,もともと二人が違う世界に生きていることの暗喩なのか?
南と北はいったい何を意味しているのか?


この辺を考えながら,またどんな結論を導くのかを期待しながら,見ていくのも楽しいかも知れない.




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