DHT in MANET その3

構造化オーバレイネットワークで,物理ネットワークの近傍性を考慮する

何故必要?

通常のDHTだと,物理ネットワークを考慮せずにオーバレイネットワークを構築してしまう.
ので,物理ネットワークとオーバレイネットワークのトポロジの間で,過度な不一致が生じる.
んで,論理的に短いホップ数で検索しても,物理的に長いホップを経由してしまう可能性がある.

解決法

大きく分けて三つ.
The impact of DHT routing geometry on resilience and proximity(2003)による分類.

Proximity Neighbor Selection (PNS)

物理的に近いノードのノードIDと経路を,DHTの経路表に加えて保持しておく.
最初の検索で目的ノードに一気に接近できる.その後も効率よく近づいていける

  • Proximity neighbor selection for a DHT in wireless multi-hop networks(2005)
  • ISPRP(2005)
    • SSR(2005)の元.Successor Listの経路情報だけ維持.
    • 無理やり分類するとここかも?
  • SSR(2005)
    • SSRはたぶんここ
Proximity Route Selection (PRS)

次ホップノードを,遅延を考慮して選択する.(オーバレイネットワークの平均的な遅延とか,検索にかかるおおよそのホップ数とかと比較したりして計算する)
一番コストが低そうなノードをnext routeing nodeに選択する.

  • An Adaptive Proximity Route Selection Scheme in DHT-Based Peer to Peer Systems(2004)
    • MANETの話じゃないけど
Proximity Identifier Selection (PIS)

ノードIDを決定する段階で近傍性を考慮する.

  • Self-Organizing Hierarchical Routing for Scalable Ad Hoc Networking.(2004)
    • ランドマーク有り
  • An Underlay Strategy for Indirect Routing(2004)
  • Simple, efficient peer-to-peer overlay clustering in mobile, ad hoc networks(2004)
  • DHTを用いたモバイルアドホックネットワークにおける情報発見手法(2006)
    • RLMの改良
    • 全ノードが知っているグループID(GID)なるものを設定
    • GIDからグループヘッド(GH)を決定し,GHからの距離を測定して参加ノードのノードIDを決定
  • Random Landmarking in Mobile Topology-Aware Peer-to-Peer Networks.(2004)
    • ノードの物理的な近さをメトリックとして,ネットワーク内に存在するノードをグルーピングしている.
    • しかし,RLMはID切り替えの手続きやID更新によるリカバリーなどについて明確に述べていない.
  • たぶん,MADPastry(2005)もこの分類.(RLMの改良)
  • 物理ネットワークの状況を考慮した階層型分散ハッシュ法の提案(2006)
    • MANETの話じゃないけど
    • HIERASの改良
    • LCLV(Layerd Chord with Landmark Vector)なるものを使ってIDを生成する



参考
Unstructured overlayとStructured overlay
下位アルゴリズム中立なDHT実装への耐churn 手法の実装


DHT in MANET その2 - WebLab.ota
DHT in MANET - WebLab.ota
DHTの比較図 - WebLab.ota
DHTのアルゴリズム - WebLab.ota