H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND- 最終話
素晴らしい!!!拍手喝采!!!!!!ブラボー!!!!!!!!!
【アニメ感想】H2O ~FOOTPRINTS IN THE SAND~: 編集長メモ
ラスト一回前に驚いて、最終回もちょっとワクワクして観た。最終回も「え〜〜!」という感じだった。作り手は観た人を驚かせるつもりで作ったんだろうけど、どこまでが意図なんだろうか。
いや,本当に面白かった.ここで1話からH2Oの感想を思い出してみる.
- 1話目
- 主人公が盲目って設定は純粋に驚いた.画面真っ黒にして「これが僕の世界」とか言う演出も馬鹿正直だけど素敵
- 2話目
- いきなり盲目設定がなくなって主人公の目が見えるようになる.これに対する釈明は一切ない.素敵
- 3話以降
- 8話目
- 何の前触れもなく(あったかな?),一話丸まる夢オチの話.もともと主人公にしか見えていないらしい自称「妖精」の女の子がいたりするから,「主人公は盲目だった人だから,脳内妄想を具現化したりすることできるのかもな〜(左目に傷をつけて右脳の働きがおかしくなってうんぬん)」とか考えてた.
- 今思えば,この夢オチは11話目の展開を踏まえたものだったんだね
- この先「妖精さん」は出てこなくなる.
- 9話〜10話
- これまた覚えてない.この先の超展開と落差を作るために頑張ってたことしか記憶に無い.
- 11話目
- ここで,闇縛り.要するに2話〜10話までは主人公の妄想であったことが露呈する.またこのショックで主人公はご乱心.ここで私は歓喜した(H2O -FOOTPRINTS IN THE SAND- 第11話 - WebLab.ota)
- 12話目
- 今までは基本的に主人公視点で語られていたのに(このトリックを使うためには主人公視点で語る必要があるわけだけど),それがヒロインに移る.この切り替えも非常にお手本どおり.
- ヒロインがいきなり死ぬ.これによって主人公は正気を取り戻し,目も見えるようになり,エンディング.
- エンディング後,数年後の主人公登場.そして「妖精さん」も再登場.でヒロイン復活.ハッピーエンド
- 私は最後のヒロイン復活は主人公の妄想具現化再発動だと思ってる.
このヒロイン復活に対して
H2O最終回「ザオリク」「H2O」 −反魂の秘術 ザ オ リ ク−
こういう終わり方になったことは、非常にがっくり致します…。命を軽く扱ったことで、今までの話の重みが完全にどこかに吹き飛んでしまった…残念です。
なんて書いている人もいましたが,これもちょっと違う気がする.
このアニメってとにかく現実(視聴者にとって信じ込まされている世界感だったり,登場人物の見ている世界)がとても不安定だ(一回目の大きな転倒は8話.そして11話で完全に現実を多義的なものにしている).
この現実の不安定さって麻枝准の持っている不安定さと似ていて,「妖精さん」なんて「(AIRの)みちる」だし,「主人公の変性意識状態」なんかは「(kanonの)舞の虚言症」みたいなもんで,出てくる登場人物が,その世界の中で実在している人物なのか,それとも幽霊のような存在であるのか?や,視聴者に共有され現実であると信じていた世界が,誰か一人の見ていた夢のようなもので,吹けば一瞬で消えてなくなってしまうものなのか?良くわからなくて,非常に不安定である.
これは仰々しく言えば,我々の生きているこの世界・現実は多義的である……ということを指摘しているわけだ*1(「闇縛り」を使った「キバの紋章」もまさに現実が多義的であることを訴えているもの).
だから,このアニメに「命を軽く扱った」といった指摘をしても,そもそもその人が生きていたのか・死んだのか・本当に生き返ったのか…すら良くわからないぐらい不安定(適当)なので,意味を成さないように思う.
*1:本気じゃないだろうけど.驚かせることが主目的なんでしょう.