武田日向の紹介
このページでは2006年夏のドラゴンエイジピュアで発見した漫画家,武田日向を紹介します.
私は以前から,電撃系,まんがきらら系,エイジ,ブレイド,ガオ,REX等のターゲット(購買層)をオタクに絞り込んだような雑誌には辟易していました.
背景がほとんど無い,顔を羅列するだけの漫画ばかりで,読みにくくてしょうがない.
毎回機械的にページをめくり,コマを追いながら,同じような顔と定規で引かれた直線ばかりの背景を眺める日々.
そんな時この漫画家に出会ったのです.
なので,正直別に内容がどうとか,構成がなんとか,絵がうんとかで惹かれたわけではないです.
先に釘を刺しておくと別に背景が糞うまいとかいうつもりでもないです.
ただ単純にこの作家は「背景に関心があるぞ」ってだけで私の目に留まったのです.
ま,とりあえずこのページを見てほしい
(異国迷路のクロワーゼ)
うん.あほですな.
大体こーゆー漫画で一ページ背景だけってのがもう頭悪いです.
少女マンガでよく言われた”1ページにカッコいい(可愛い)顔を1つ”ってのがこの手の漫画の醍醐味なのに,背景だけ.
しかもこの背景,結構カッコいい.
例えば一番最初のコマ(右上)の赤丸が付いている部分.
ハイコントラストな感じで,線が消えている.
これは,この作品だけに多く見られる処理で,世界観を意識して描かれている.
こういった細かい芸をいろいろ見せてくれるのも,この作品の面白いところだ.
センスだね〜
さらに一番最後のコマ(左下)の赤丸が付いている部分.
微妙に歪んでいるのが解ると思う.ついつい直線で引いてしまいたくなるところをフリーハンドで空間的な広がりを出すところに痺れるぅ.
つってもこの背景,写真を加工したかもしれんけども
さらにもう一枚.
2コマ目
消失点が3つあります.(横の消失点は微妙だが)
こんな小さなコマに消失点を3ついれるってのはなかなかです.
と,まぁこんな感じで背景を意識して描いていることが解る.(他の作家よりは)
で,興味を持ったので,この作家を少し追いかけてみたら,この作品より前に単行本で三冊「やえかのカルテ」というのを出していたので読んでみた.
しかし,こちらの方は背景が面白くない.
しっかり描いてはいるものの定規で描いた均一な線の組み合わせでできたつまらない背景だった.
面白い構図も無ければ,パースに凝ったコマも無かった.
が,今に至る絵への拘りは見受けられた.
それが,写真のトレースで描かれた動物.
とにかくトレースした動物が多い.
中には物語上,同じ犬なはずなのに,トレースした犬種が違うものまであって笑えた.
しかもトレースして書き込みすぎて,浮いているものも多数あった.
(やえかのカルテ)
上側中央のレトリバー浮きすぎw