Web2.0とオタク

Web2.0について詳しいことは以下のURLを参照してください。
http://www.sophia-it.com/category/web2.0.jsp

Web2.0の本質は[中略]「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者として認めて積極的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」(梅田望夫


API(http://e-words.jp/w/API.html)

上記の図はGoogleマップの受動的なサービス享受者と能動的な表現者の関係を表したものである。もちろん、ネット上の不特定多数の人々は無限大に存在し、”無限大に存在する”ことがWeb2.0では重要であるために、図で表現することは控えるべきなのだが、今回は誤解を覚悟でまとめてみた。

GoogleマップがいかにWeb2.0であるかは、通常のサービスでは図左側の受動的なサービスの享受者しか存在しないのに対し、API(Application Program Interface)という開発者用インターフェースを提供することにより、不特定多数の能動的な表現者(図右)が新たなサービスを開発することができる点にあり、そしてこの新たなサービスの開発が、従来の企業の中での製品開発に比べ、圧倒的なスピードでかつ、低コストで進むところにある。

さて、今回もロングテールのときと同様に、インターネットと親和性の高いオタク文化が、この影響を受けていないはずが無いという前提で議論しよう。

オタクのWeb2.0

この図は、Googleマップの図を現在のオタク表現に適応してみたものだ。
もはや説明は要らないかもしれないが、ニコニコ動画なんかでは、リリカルなのはSSの”カット”や”シーン”を組み合わせたり、同じ”声優の声”を別のアニメから引用したり、”キャラ設定”が似ているところから別のアニメとリンクさせたりして、本編とは全く違った作品として日々多くの動画が投稿されている。
アイドルマスターに関しても同じようなことが云える。
そしてこういった盛り上がりが作品の人気の高さを表しているし、一方で支えていると考えてもよい。

このように現在のオタク表現は受動的な作品の享受者とは別に能動的な表現者が存在し、かつその表現者を積極的に巻き込んでいくことが重要になっている。

Web2.0がインターネットのインフラが世界中に整備され、そしてチープ革命により起きた現象だとすれば、”オタクのWeb2.0”はブログやHPを皆が持ち、ニコニコ動画YouTubeといった作品を発表するチャンネルが増え、表現の敷居が低くなり、PCスペックの向上とアプリケーションプログラムの進化により動画や音楽などの編集が手軽になったというインフラが整ったことにより起こったのだろう。

これ以外にオープンソース現象もまた、オタク表現の中に見ることができる。(作りかけの動画や絵を公開し、それに対するアドバイスや、果ては色塗りも第三者が行い作品をスピーディーに開発してしまうといった動きが随所でみられる。後日詳しくやるかも)
このようにインターネットとオタクは親和性が高く、広がり方や製品開発のライフサイクルまで似ている。
インターネットの今後の動向を予測するために、おたく文化の今後の動向を予測するために、双方の動向を比較しながら分析することは、無駄なことではないかも知れないな。



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