江平洋巳の紹介
江平洋巳はflowersに連載していた漫画『白いバラの乙女』にて発見した少女漫画家です.
なんてことないページ.
一応黒髪の娘が主人公ですが,このページではちょっとぞんざい(金髪の方を描きたかったんでしょう).
百合っぽいし(まー百合ですけども),キャラは可愛く描けてるし,ここまでは普通の少女漫画ですが…
江平洋巳の世界
ぎゃぁああああ!
怖い!恐ろしい娘!!
目だけでこれだけ嫌らしさを描ける人はそうはいない.
目だけでこれだけ意地の悪さを描ける人はそうはいない.
目だけでこれだけ嫌悪感を描ける人はそうはいない.
この気持ち悪い目の一覧を見た後で,一番上にあったページを観ると最初と印象違いませんか?
2,3コマ目の目も,嫌らしさに溢れている様でしようが無い.
これらの目を見て山岸涼子を彷彿させられたのは私だけではないはずだ.
山岸凉子と江平洋巳の才能
山岸凉子は,『日出処の天子』(省略すると『ところてん』)などの漫画作品で知られる漫画家で,萩尾望都,大島弓子,竹宮惠子らと共に花の24年組と呼ばれる.
花の24組は知ってのとおり,少女漫画の世界に男性的なるもの(SFやファンタジー,リアリズムや手法にいたるまで)を導入し,それを少女漫画が石ノ森以降培ってきた心理効果(手法)と融合させ,新しい少女漫画を確立し,思春期の不安定な心理の襞まで細かく描写することを可能にしたわけだが
山岸凉子は特に,境界領域的な状態にある人間から心理の暗部を穿り返すことに成功した.
江平洋巳はおそらく山岸凉子と等質な才能を持っていると思う.
この才能は現段階では『目』の表現に象徴されるような,絵にするときの人間の暗部に対する直感的な把握力だと思う.
あとはこの才能をどれだけ完成させられるか,で,平成の山岸凉子になれるかもしれん(なんだよそれw)
絵を描く才能自体は山岸凉子よりあると思うけど,人の嫌らしさを見抜く直観力とそれを絵にする才能はまだ山岸の”それ”には及ばない.
これからも頑張って人間の暗部をサルベージしてもらいたい.
あ〜あと問題意識(物語)ももうちょっと頑張ってほしい.