こんにゃくゼリー販売禁止措置とそれに対する反応

痛いニュース(ノ∀`) : “こんにゃくゼリーで男児死亡”受け、販売禁止要請を検討…野田聖子氏 - ライブドアブログ
男児こんにゃくゼリーをのどに詰まらせて死亡したことを受け、販売禁止措置を農林水産省に働き掛けるかどうか検討する考えを明らかにした。

痛いニュース(ノ∀`) : マンナンライフ、こんにゃくゼリー「ミニカップ」製造中止へ…野田消費者相との協議で示唆 - ライブドアブログ
この辺に反応して,いろいろな人が感想を書いているけれど,読んでいてちょっと悲しくなった.
あまりにも,「じゃぁ餅も販売禁止ですね」という反応が多すぎる.もちろん,野田聖子氏の短絡的思考を揶揄して,短絡的思考で切り返しているんだろうけど,それにしたってもうちょっと捻ってほしい.
「こんにゃく入りゼリー」よりものどに詰まって死亡した件数が多い危険な食べ物ベスト10 - GIGAZINE
じゃあ餅も販売禁止にすればー? - 雑種路線でいこう
この辺とかに対しては

問題なのは一時期減少したのに、ここ近年急増しているという点だ。おそらくGIGAZINEの中の人は、変化率という概念を持ち合わせていないに違いない。
http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20081003/p3

というツッコミが入っている.

食べたい人もいるんだから、タバコの警告みたいに、こんにゃくゼリーの危険性を思いっきり書いとけばOKとかにすればいいじゃない。
またかよこんにゃくゼリー - novtan別館

こういった意見を書いている人もいるみたいだけれど,警告表示は結構前から施されている(「警告表示が小さいものがあるから見直せ」と要請されてはいるけど).
もうちょっと踏み込んで

H-Yamaguchi.net: こんにゃくゼリーを「安全」にするいくつかの方法についての提案
(1)小さくする(中略)(2)大きくする(中略)(3)硬くする(中略)(4)子どもには開けられないパッケージにする(中略)(5)苦くする(中略)(6)味を中に閉じ込める

といった提案をしている人もいるみたいだけど

その結果、事故の原因は硬さや大きさの問題ではなく「吸い込まなければ食べられない容器」が問題であり、 吸い込む事により事故が起こると弊社では判断しました。
この問題を改善するため、「ハート型容器の底をつまみ、押し出せば吸い込まずに食べられる」 安全性を追求した独自の容器を開発し対応してまいりました。
http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20081003/p3

このような対策が既にされていて,それなりの結果も出ていたようだ(今回の事件は対策を施していたけれど,起こってしまったけど).


buyobuyo氏のエントリでは

ここ最近の死亡事故の増加は、過去の経緯を忘れ、新規参入組みのメーカーが配慮の足りない製品を出し始めたからだと認識している
(中略)
去年の段階でこんにゃくゼリーの形状や表記に強制力のある規制をかけておけば、こんなことにはならなかったのだ
(中略)
去年の事故で安易に親を叩いた奴に、マンナンライフを弁護する資格はない
http://d.hatena.ne.jp/buyobuyo/20081003/p3

という結論に至っている.(マンナンライフと新規参入組みのメーカーの事故件数の比較とか,販売数とか見てみないとわからないけどね)
つまり,今「野田はバカか?」とか「じゃぁ餅もだね」とか「食わせる親がおかしい」という一見,こんにゃくゼリー擁護派のように見える意見が,その実,マンナンライフの「ハート型容器の底をつまみ、押し出せば吸い込まずに食べられる」といったまっとうで誠意ある努力に光を当てず,無視し,今回の販売禁止騒動を引き起こしたのだ(言い過ぎた.「原因の一部ではある」だな).

感心がそれほどあるわけでもないのに書かれたエントリ

上で挙げた,buyobuyo氏以外のエントリは,おそらく「こんにゃくゼリー」についてそれほど関心がないのだろう.
毎日複数のエントリを書いている彼らは,関心があまりなくても時事や流行をネタにしてどんどん書いていく.
専門的な分野であれば,相当に詳しく,思慮に富んだエントリを量産できるのだろうが,感心がないものをネタにして書くときはどうしてもレベルが下がってしまう.それは仕方がないことだと思う.
しかし,そういったエントリを読んで,同じように思考停止してしまう(私のような)人が大量に生まれる.
嘆かわしいことだ.