スカイ・クロラを観てきた

先日、歌舞伎町ミラノ座で「スカイ・クロラ」を観てきたところあんまり退屈な映画だったのでビックリした。かつて激怒した「イノセンス」よりつまらない。
「スカイ・クロラ」でひどい目に遭う

とかに,はてブ100もついてるし,相当なものなのかも(天使のたまご以上はないだろうな,とは思ってたけど)知れないな……程度の情報だけで,予備知識ほとんど無しで見に行った.
原作は未読.公式HPも見ずに,できる限り真白な状態で見に行った.


で,まぁ愛知万博めざめの方舟)に行って,他の客が「何これ〜」って顔してるところで「うわっwめっちゃ楽しいwDVD買わなきゃ!!」ってなった私にとっては,この程度の「つまらなさ」はどうということはない(押井脳)


しかし,館内はガラガラだったのにもうなずける(時間が悪かったのかも?)し,4組ぐらいいたカップルには申し訳ない気持ちになる映画ではあったけれども…
(以下,感想とか)

犬・鳥・魚

魚がいない!!


鳥(戦闘機)と犬は出てくるけど,魚が出てこない.あれ?見逃した?俺…?

  • ロストック社の社章が気になる
    • 魚に見えなくもないな
      • 犬はそのまんまで、鳥は戦闘機で、魚はロストック社なのかしら
    • パンフレット読んだら風俗嬢の刺青は魚とのこと
      • だから社章もキャラに貼り付いてるのか

『スカイ・クロラ』を見て、若い人たちに伝えたい事を勝手に受信してきたぜ - きみにとどけてれぱしー

……なるほど.
もう一回見ないとな…

戦争の話

パトレイバー2でやってた戦争論の延長線上みたいなものが展開される.
「戦争は必要.なぜなら戦争がなければ平和を実感できないから」で,今回のスカイ・クロラは世界平和が実現された世界で,「世界の平和を維持するために,永遠に決着のつかない戦争をショーとして運営(?)している」.
そして,よくわからない(?)戦争論がいろいろと語られる.パトレイバー2の,竹中直人後藤隊長大林隆介)のやり取りにしびれた人は必聴だと思う.

テーマの話

つまり、創造物であるキルドレが決して越えられない現実の壁だ。
水素とのつかの間の出会で愛を知り、生きる事の意味を見出した優一は、永遠の日常を外れて、あえて壁に挑む事で、世界を包み込む巨大なループに希望という名の小さな楔を打ち込んだのかもしれない。
ノラネコの呑んで観るシネマ スカイ・クロラ The Sky Crawlers・・・・・評価額1600円

まぁこれは

『崖の上のポニョ』と『スカイクロラ』にみる二人の巨匠の現在〜宮崎駿は老いたのか?、押井守は停滞しているのか?(2)/スカイ・クロラ編 - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
ちなみに脚本としては、『うる星やつら2〜ビューティフルドリーマー』いや『天使の卵』以降、何一つ押井守監督の「言いたいこと」は変わっていないし本質の構造は、全く同じだと僕は思います。

なわけで,つまりは

『崖の上のポニョ』と『スカイクロラ』にみる二人の巨匠の現在〜宮崎駿は老いたのか?、押井守は停滞しているのか?(2)/スカイ・クロラ編 - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
まるで夢を見ているような、生きている現実感の手ごたえのなさと、現実の境界があいまいなまま、すべてが進んでいく世界のありかたについての違和感を、告発することです。

ということである.
しかし,今回のスカイ・クロラでは,現実(ループしていること)に対する「気づき」だけで終わらなかった
気づいたあとの生き方…というかヴィジョンが示されている.
「気づき」だけで終われなかった理由は

『崖の上のポニョ』と『スカイクロラ』にみる二人の巨匠の現在〜宮崎駿は老いたのか?、押井守は停滞しているのか?(2)/スカイ・クロラ編 - 物語三昧〜できればより深く物語を楽しむために
ただ、そう、、、、もう年齢的に50台を超える彼らには、そろそろ「告発するのにはもう飽きた」。では、この世界でどう生きるべきなのか?についてモデルを提供してくれ、という大きなテーマが降りかかるようになりました。

となるのかも知れない.


しかし,どうなんだろう?

「昨日と今日は違う。今日と明日もきっと違うだろう。いつも通る道でも違うところを踏んで歩くことができる。いつも通る道だからって景色は同じじゃない。」

というセリフを吐いた後,突然,主人公は死にに行く(だったよね?記憶が曖昧なんだけど?).で,実際死ぬ.


現実(ループ)に気づいて,それを肯定して,納得したようなセリフを吐いた後で,突然,いつもなんとなく無気力・無感動だった主人公が熱血して…死ぬ.で,また生き返って,元通りの生活に戻る.
結局何が言いたかったんだろう,押井さんは…
「日常の繰り返しに辟易せずに,毎日は違うのだから,そこに新しさを見つけて生きてゆこうよ」なのか
「そんなつまらない日常に満足しないで,一回ぐらいは死ぬ覚悟で本気になってみろ」なのか
よくわからない.


もう一回見ないとな…

鬱の話

スカイ・クロラ見てきた: たけくまメモ
はなはだ辛気くさい話で、押井守は鬱映画の巨匠だという思いを再確認しました。

確かにそうだ.主人公は無気力・無感動でそつなく毎日を過ごしているやつだし,ヒロインは子供のくせに子持ちで,旦那には逃げられ,加えて自殺願望満々だし…