少女メディア研究 高橋真琴から801論まで
また,今週の少女メディア研究(十回目)@魔王 - きゅーぶろぐにツッコミをいれながら…
(今回は,わたしの知らない24年組以前の少女漫画の話があって,非常に勉強になった.いやぁ…勉強不足だ)
高橋真琴の登場
スタイル画の本格的な登場。キャラクターがコマの上に重なることを介さない。
「画面全体をイメージで統合する象徴的な人物画」手法。
「同じページに次元の異なる絵を重ねて描く」手法→少女マンガに特徴的なレイヤー構造。
なんと,レイヤー構造(コマ,人物,顔のアップ,ナレーション1,ナレーション2…といったレイヤー)は高橋真琴からだったのか.
高橋真琴は『「少女の瞳にはじめて星が輝いたあの日」とあるが、その文言どおり、のちの少女漫画に絶大な影響を与えた画家である。(高橋真琴 - Wikipedia)』という功績は知ってたけど…そうか,具体的なコマを見てみたい.それこそ「少女の瞳にはじめて星が輝いたあの日」的な例(↓)はいっぱい見たことあるんだけれど……
水野英子と石ノ森章太郎
24年組が登場するまでの少女マンガを語る上で忘れてはいけないのが,この二人だと思う.
水野英子は,少女マンガ界に手塚的な大きな世界感とコマの使い方を持ち込んだ人である.また,説得力のある(大人も含む)恋愛をちゃんと描いた人でもある.
(しかし,BSマンガ夜話「星のたてごと(1960年〜)」で見る限り,スタイル画的なぶち抜きはあっても,レイヤー構造的なものは無かったように記憶している.)
石ノ森章太郎は
「文学性のある」「抒情性のある」「詩情性のある」石森漫画が、50年代後半から60年代に子供時代を過ごし、70年代に活躍を始めた一部の少女漫画家たち、例えば「萩尾望都」や「竹宮恵子」らに影響を与えたのは、これ歴史的必然でありました。
http://homepage2.nifty.com/SYU/essay/essay66.htm
とある.
24年組の基礎は,高橋真琴のスタイル画,高橋真琴と石ノ森章太郎のコマ割り(レイヤー構造とか叙情とか),水野英子の大きな物語…で構成されているように思う.
24年組は,これに,少年愛と内面と劇画を持ち込んだ.
24年組以降
全体を統合するイメージに人物だけでなく風景を使用。
(中略)
これら多層的に重ねられたコマ構造によって外界(現実)より内面(心理)世界が優越している状態がイメージとして表現される。
(中略)
90年以降は「エヴァ」等に代表されるように「少年」「少女」相互の価値観の乗り入れ傾向が見られる。
エヴァまで逝きますかwww
なるほど,ここでも少女マンガと少年マンガ(?)のオーバーラップがあるのか.
(1980年代のラブコメの流入,1990年代の内面の流入,2000年代の同性愛の流入*1)