「暴力的ゲームは子どもに影響なし」とはてブと真実と

あれ?おかしいな?と思ったのでメモ.

暴力的ゲームは子どもに影響なし--ハーバード大心理学者が調査 - CNET Japan
Lawrence Kutner氏とCheryl Olson氏の2人の心理学者は、暴力的なゲームをプレイすることはほとんどの子どもにとって、ストレス発散に過ぎないとの結論に達している。もちろん、暴力的なゲームを数時間プレイした後に遊び半分の攻撃性を見せた子どもも中にはいたが、武道アクション映画を観た後の子どもが見せる反応と同じレベルだった。

13日の15:37に掲載されたこの記事.現在はてブ185も付いているエントリである.内容は引用した以上のことは書かれておらず(実験の詳しい内容は結果などは無く,結論だけ書いてある),これだけ見れば,アンチゲーム脳信者にとっては朗報である.
はてブの反応を見てみると

この結果を『「ゲーム脳」脳』の国内マスゴミや教育ゴロがどう涙目で否定するのかが楽しみだ。
(中略)
こういう研究データがあっても、マスコミはゲームのせいにし続けるんだろうなあ・・・きっと。
(中略)
日本の脳科学者達はゲーム脳というのがあると定義しています。どちらが似非科学になるのかな? 面白いところですね。
(中略)
どう考えてもマスコミはこの件をもっと報道すべきだろ。「ゲームが悪影響」みたいな論調を紹介するなら反対の論調と研究結果を報道しないと偏向って言われても仕方ない。
(中略)
でもゲーム脳を信じる人は、この調査結果をきっと信じない。ゲーム脳脳の恐怖。
(中略)
ゲーム脳信者涙目ww

と,ずいぶん強気のコメントが目立つ(はてな民,ネット民ともにアンチゲーム脳信者が多いので).

ちょっと詳しいエントリを見てみる

11日に同じ発表のことを話題としているhttp://digimaga.net/200805/researcher-harvard-university-game-murder-dont-have-relationship.htmlというエントリには,先のエントリより詳しい情報が載っているのだが

1週間あたり15時間以上も残酷なゲームで遊ぶ男の子のうち、51%が去年喧嘩に関わったことがあるということが分かりました。対してほどよくゲームで遊ぶ男の子では、去年喧嘩に関わったのは28%です。女の子の場合はそれぞれ40%、14%でした。
 しかし、この数字にも関わらずカットナーとオルソンは、ゲームと凶暴性には何の関係もないと指摘します。「彼らが長時間残酷なゲームで遊んでしまうのは、それより以前に精神的な問題を抱えていたからでしょう」
 最も驚くべき発見は、まったくテレビゲームをしない男の子が、社会になじめていないということです。「テレビゲームは、この世代の男の子のためにあるようなものです。これらで遊ばないということは、かなり社会的能力が低いと言わざるをえません」
http://digimaga.net/200805/researcher-harvard-university-game-murder-dont-have-relationship.html

んんっ?何かおかしくないか?
この「暴力的ゲームは子どもに影響なし」というのは,だいぶ胡散臭い結論なんじゃないのか?
少なくとも,私は,この数字を聞かされた後に,「いえ,ゲームと凶暴性には何の関係もない」と説明されても納得しない.
原文を読んでいないから,どうやってこの実験結果から結論を導き出したか知らないが,アンチゲーム脳信者が鬼の首を取ったかのように,勝利宣言するには納得力が足りないと思うのだが……

自分に都合の悪いエントリはブックマークしないのではないか?

で,http://digimaga.net/200805/researcher-harvard-university-game-murder-dont-have-relationship.htmlのほうは,はてブの数がたったの12個しかない.
上記の良くわからないエントリよりは詳しい情報が掲載されていて,しかも2日も早く書かれているというのに…
(タイミングとかサイト自身の注目度も関係するんだろうけど,この差はあんまりだ)