二次創作は楽しみであって,金儲けではない

二次創作を認める動きがあってもいい
今、二次創作を認めている企業というのは殆ど無い。一部のエロゲメーカー程度だ。しかし、今、改めて「二次創作許可を全面に押し出す企業があってもいい」と僕は思う。

……
いったい何年前の話をしているのだろうか?消費者の「二次創作の楽しみ」を認めていない企業なんて既にいないだろう?数年前ジャンプに連載していた漫画では,「彼ら(登場人物)はホモではありません!」といったメッセージを出して,同人誌に圧力をかけてきたりしたけれど,今やそんなことしていないし,むしろ嗾けてさえいる.
一部のアニメではニコニコ動画でMAD(二次創作)が作られていることを意識して作品を作ったり,ネタにしたりしているし,角川さんなんかは

「YouTubeは世界共通語」――角川会長の考える“次の著作権” (2/2) - ITmedia NEWS
コミケができたとき、出版社は『海賊版の巣窟』ととらえたが、角川は新しい作家を生む場ととらえてクリエイターたちに声をかけていった。YouTubeを引用したmixi日記のようなもものも、合法化できないか考えなくてはならないと思う

「ユーザー投稿角川アニメ」の公式認定も YouTubeに角川参加 - ITmedia NEWSなんてことを言っていたし,二次創作を黙認・認める動きは,個人が楽しみの範囲で作品を,皆に読んでもらう・見てもらうことができる程度には十分行われている.
さらに,二次創作のクオリティが高ければ

組曲『ニコニコ動画』をカラオケで歌いたい - WebLab.ota
サイバーフォーミュラの二次創作ゲームである「Cyber Grandprix Championship β版(ver 0.24)」が「新世紀GPXサイバーフォーミュラSIN CYBER GRANDPRIX」となり,サンライズに認められて販売された

なんて形で,(C)サンライズが付くコトだってある.
MADに関しては以前,組曲『ニコニコ動画』をカラオケで歌いたい - WebLab.otaのコメントで

それはともかく、一次著作物を引用・流用したMADが黙認される時代は絶対に来ません。
最初にMADが流行ったのは十年程前だと記憶していますが、未だに一次著作物の引用を許可・容認・黙認している会社は皆無です。
同人誌が黙認される理由はありますが(Wikipedia等にあります)、MADが黙認される理由はありません。

と指摘されたことがあるが,半年で『MADが黙認される時代』が到来してしまった.

これはただの金儲けではないのか?

二次創作を認める動きがあってもいい
去年、とある知り合いのサークルが某商業誌のパロディ同人誌を出した。半年かけて作ったそのクオリティはかなりのもので、3000部が瞬殺、書店置きも1500部がすぐ消えた。しかしその書店に、商業の発行元から問い合わせがあったと聞いて、多分増刷すればあと数千部はいけたはずなのに、スッパリ手を引いてしまった。

そう、訴えられてはいけない。
だから大抵のサークルは、いろんなところで線引きをする。書店売りは怖いとか、増刷は怖いとか、過度な宣伝は怖いとか。

……これは何?ただの金儲けをしたい集団の話ですか?
権利者が二次創作を黙認してくれている背景には,「彼ら(二次創作をしている人々・それを楽しんでいる人々)は楽しんでいるだけなのだから…楽しさを束縛するのは良くないよね」とか「私たち(二次創作をしている人々)は,作品への溢れる愛を表現したいだけなんです!」とか…そーゆー考えがあるわけなんだけれど
ただ金儲けをしたいだけ…なら話は別だ.それは権利者にとって,ライバル会社と同じなのだから.


「ただ溢れる愛を表現したい」「作品をもっと(二次創作することによって)楽しみたい」…なら,作品をニコニコ動画に投稿するだとか,夏冬に行われるコミケに出すとか,各所で行われるオンリーイベントで発表するとか,HPで公開するとかすればいい.


他人のふんどしで金儲けなんて考えるな



続き:二次創作を認めるとどうなるのか - WebLab.ota