ニコニコを認めてもらうための努力

前回のエントリ(ニコニコ動画の本当の影響力 - WebLab.ota)の補足的なものを書く.

誤差について

前回のエントリで私は「ニコニコ市場ではニコニコ動画の影響力で売れたものの5分の1しか表示されない」と書いた.
これに対して

とおりすがり氏:『分野によってファン層には偏りがあるはずなので、一律に五倍するのは妥当とはいえないでしょう』
すうぷ氏:『グレンラガンガイナックスですし放映帯も恵まれてますし、アニメファンの間では元からとても有名かつ注目されていますから、ニコニコを契機に売れたのではなく、ニコニコで買った人が多かったというだけの商品かと思います。』

といった指摘を頂いた.これらはもっともな指摘である.
何故なら,ねんどろいど 初音ミクは初めて時報を使って宣伝した商品であるし,Perfumeグレンラガンと比較するには,商品そのものの質の違い(片方はデータとして保存できるが,片方は立体物)や,計測期間(片方は数日間のデータしかないが,片方は数ヶ月間市場で晒されている)や,認知される機会の差(片方はネット上での告知・広告だけだが,片方はマスメディアを使った展開が成されている)などなど,単純に比較できるものではもちろん無いからである.


また,ニコニコ動画でMADなりPVなりを見て,ブログで紹介し,そのブログに貼られているアフィリエイトから商品が売れる…というニコニコ動画二次的な販促効果を考慮し始めると頭が痛い.
何故なら,ニコニコ動画のサムネを貼り付けて,「面白かった!!」とか適当なコメントを書いて,その下に商品のアフィリエイトを張るだけで立派なブログのエントリになってしまう……”ブログで商品を紹介しやすくなった”という書き手の利便性についても考慮しなければならないからである.(商品をブログで紹介するときに一番面倒な「商品の紹介文を書く」という行為を省いてくれる)
そして私はこのニコニコ動画アフィリエイトというコンボ技による影響力はかなりのものであるだろうと予想している.(それこそ5倍なんて数字じゃないかも…という密かで淡い期待をしている.)

メモ

本論とは多少ずれるが,ネット上における告知・広告・販促効果のほとんどは口コミであり,ネットビジネスについて分析している評論家なんかもブログやmixiといったCGMを如何に取り込むか(如何に口コミを伝播させるか)が課題であるとしている.
そして,ブログ栄え(エントリを書きやすい)する商品・サービスを提供できるかが求められている…という背景を留意したい.


これまた蛇足だが,Perfumeの人気とそれに対するニコニコ動画の貢献度は,ニコニコ動画で一連のPerfumeアイドルマスターのPVが発表されだす前と後でのCD売り上げを比較するとか,Googleでの検索結果数を比較するとか,いろいろな分析の仕方があるように思う.

ニコニコ動画の正確な影響力を知る必要性

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1047553.html
上記のエントリのような人々(権利者)を説得するためには,ある程度信頼のおける具体的な数字を提示する必要があるように思う.
一度ネットという湖に商品を投げ込めば,金か銀になって返ってくる…ということをちゃんと説明できれば,彼らも考え直すはずだと私は思っている.(もちろん金か銀にして返せなければそれまでだけど)


http://d.hatena.ne.jp/pmoky/20071028/p1なんていう不買運動を仕掛けてみたりだとか,ネットとリアルの宗教対立みたいな状態から脱するためにはいろいろと努力しなければならないのだろう.