定例報告(8月)

私がブログ始めて1ヶ月半ぐらいたった.
こんなに長い期間(まだたった1ヶ月半だけど)文章を書き続けたことがなかったのでいろいろと得るものが多かった.
今日までいろいろな記事を書き散らしてきたが,なんとなくではあるが,このブログで考察していくべき目標みたいなものが見えてきたのではないか?と思う.
以下はその目標の紹介と,どんなキーワードを元に考察していくかを予め宣言しておこうと思う.この予告が完全に守られる保障はないが,自分自身へ方向性を明確にしておく必要性を感じたので記しておくことにする.

Web2.0時代におけるオタク文化の新しいビジネスモデルを提案する

これはWeb2.0とオタク - WebLab.otaから始まったこのブログで一番多く考察した「高度情報化社会においてオタク文化はどうなるのか?」といったテーマから最近浮上してきたサブテーマの一つだ.
ニコニコ動画で行われているオープンソース現象 組曲『ニコニコ動画』 - WebLab.otaで現在のオタク文化におけるWeb2.0的な創作活動の広がりやスピードを語り,そうしたムーブメントを企業が取り込んだ例(京都アニメーションとニコニコ動画とパロディと. - WebLab.ota)や,いち早くこの新しいWeb2.0という武器を効果的にビジネスモデルに取り入れた例(ビジネスモデルとしてのオープンソース現象 『アイドルマスター』 - WebLab.ota)を示してきた.
これらを踏まえてよりいっそうの現状理解と,オタク文化の新しいビジネスモデルを提案してゆきたい.


この提案の必要性は,”現状のアニメビジネスは崩壊しかかっている”という現状理解に求める.(また,こういったムーブメントをビジネスに活用しないのは勿体無いと考えているからでもある.)
これは,先日から話題になっているDVDが売れない時代のアニメビジネス GDHに聞く - ITmedia NEWSにもみることができる.
ここで言われている「DVDが売れないのはYouTubeなどの動画共有サイトのせい…GDH」という見方も,「値段が高いからに決まっている」「そもそもアニメの内容が悪い」「責任転嫁でしかない」*1といった見方も私の考えでは両方とも説明不足である.

今回は詳しく言及しないが,このネットの時代・Web2.0の時代,高度情報化社会において,DVDというメディアを中心としたビジネスモデルではそもそも問題なのである.
情報メディア白書によれば,CD・DVDといったメディアの売り上げは下がったが,ダウンロードコンテンツは逆に大幅に増えている.全体でみたら増えていたように記憶している.(記憶が曖昧で確証がないですが…また今度調べに行ってきます)
これはiTunesでの,楽曲のダウンロード販売が人気を博したためである.CD屋さんにいってアルバムを買ったり,アマゾンでシングルを注文したりするよりも,パソコンで好きな曲だけチョイスして,ワンクリックで直に聞くことが可能といった手軽さが人気のでた理由であろう.
また,”サイバージャーナリズム論 「それから」のマスメディア”で公文俊平*2

産業社会の情報とか知識は基本的には商品だった.だから知的財産というものは売り物であり,著作権も大幅に認めた.知識は商品という”コンテナー”に詰め込んで売られる.しかし来るべきオンラインの情報化社会では,知識や情報は商品ではなくコミュニティーの共有物であり社会で分け合う.お金は取らないことになるでしょう.

といった恐ろしい予想を語っていた.
流石に私はこの予想に100%の同意を寄せることはできないが,少なくともこういった考えを彼以外のインテリも語りだし,一部のコミュニティー(今よりももっと大勢のコミュニティー)ではそういった状況が本格的に行われるようになる社会が訪れるだろうとは思っている.
とにかく,こういった現状において,今更,物理媒体(DVD)なんかに頼るビジネスモデルなんかからは脱却すべきなのだ.


今後私が語るであろうビジネスモデルのキーワードを挙げる.

集合知アルゴリズムについて考える

最近話題にしていた,ニコニコ動画のランキングという集合知(集合知のアルゴリズムを考える ニコニコ動画 はてなブックマーク - WebLab.ota,ニコニコ動画の自作自演をグラフにするプログラム - WebLab.ota)についても語って行きたい.
上記のエントリはこの集合知アルゴリズムの不完全さ(信憑性)について考察したものである.
こういった考察の必要性は,集合知アルゴリズムがまだまだ発展途上な分野であるからだ.
Googleページランクはてなブックマークによる人気記事の判断も,どちらもニコニコ動画のランキングのアルゴリズム同様に,集合知アルゴリズムであり,またどちらも同様に不完全である.
これに対して新しい集合知アルゴリズムを提案する自信はないが,考察し続けたいと思っている.


また,集合知アルゴリズムが社会にもたらす影響などについても考察してきた.
信用ならない現在のジャーナリズムを破壊し,新しい価値観を創造してくれるのではないか?といったポジティブな面を「ゼロ年代の想像力はWeb2.0だろう」という考え方 - WebLab.otaで語った.
また,この集合知アルゴリズムによって人々の思考や知識などが制限されてしまうのではないだろうか?といったネガティブな面についてもアマゾンの罪 オタク達の知的興味範囲の減少 - WebLab.otaRe:むだばなし(浅いオタクについて) - WebLab.otaで語った.


当面の目標としては,”ジャーナリズム*4としての集合知といったポジティブな面について考えていく.
これは先に引用した”サイバージャーナリズム論”でインテリどもがこぞって「集合知は糞味噌だ」とふざけたことを仰っていたので,いろいろと鬱憤が溜まったためである.

*5

*1:http://news.ameba.jp/2007/08/6769.php

*2:当初は経済学者として研究活動をスタートしたが、その後は社会科学の諸分野の統合を試み、情報・メディア・コミュニケーション研究を研究テーマとする。財団法人ハイパーネットワーク社会研究所理事長も務める。また、神戸情報大学院大学情報技術研究科 にて、講師も兼任している。wikipediaより

*3:http://www.nikkeibp.co.jp/netmarketing/word/explan/061114_propm/

*4:「ビジネスとして,取材,執筆,編集,撮影をしたり,ニュースを放送するなど,あらゆるニュースを指揮する職業」(米ランダムハウス

*5:注意:過去のエントリはだいぶ時間がたっているので意見が変わっているときがあります.また理解が不十分で間違った言葉の使い方をしたり,認識をしている場合があります.混乱するかも知れません.