漫画史を語る(6):水木しげる

墓場鬼太郎 (4) 墓場鬼太郎 (4)
水木 しげる (2006/11)
角川書店

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ゲゲゲの鬼太郎』、『河童の三平』、『悪魔くん』などの妖怪が出てくる話を創った。
「カラカサお化け」や「砂かけババア」などの妖怪を絵として明確に表し(もともと口伝されているものであり、”お話”はあるが”ヴィジュアル”として確立していなかった妖怪を絵にしてしまった)、民俗学的な影響力はすさまじいものである。

また、”背景”を絵画的な手法を持って描き、それまでの漫画では考えられないほど質量を持った背景を創った。それにより、背景に意味を持たせたり、背景だけでコマを創るなどし、それまでの手塚的な漫画の手法を変えていった人の一人。
水木しげるの他、この”背景”を工夫した漫画家として「つげ義春」が挙げられる。

水木の作風は西洋銅版画(エッチング)の伝統を踏まえた濃厚な画面、独特の点描を多用した緻密な木や石の背景の中に、単純な線による登場キャラクターが現れ、主に伝説や民間伝承を基本としたストーリーとなっている。(水木しげる - Wikipedia

彼には戦争体験があり、その時左腕を失っている。
その体験のためか、彼の作品には人間に対する「諦観」があり、救いの無い話も多い。