データベース消費

「データベース消費」とは、東浩紀が『動物化するポストモダン』で提唱した”90年代のオタク系文化における消費行動”の一つ形。

筆者曰く、近代からポストモダンへ→物語消費(80年代)→データベース消費(90年代)とオタク系文化は推移した。

オタク系市場では、90年代のメディアミックス環境において、コミック・アニメ・ゲーム・ノベル・イラスト・フィギュアなどの複数のメディアで同じ作品の「関連商品」が氾濫した。(『エヴァンゲリオン関連』や『リーフ関連』で、その状況を説明できる)
この特異な商品展開を説明する上で「データベース消費」の考え方は利用される。
また、それを飛躍させ、もっと大きな視野で語ることも可能であるとしている。

多様な作品や商品をまとめあげるものはキャラクターしかない。そして消費者はその前提のうえで、物語を含む企画(コミックやアニメやノベル)と物語を含まない企画(イラストやフィギュア)のあいだを無造作に往復している。ここでは、個々の企画はシミュラークルであり、その背後にキャラクターや設定からなるデータベースがある。(『動物化するポストモダン』p77)

また同じようなキャラクターが大量に生産され消費されているオタク系作品の説明も「データベース消費」で可能である。

レイの出現は、多くの作家に影響を与えたというより、むしろオタク系文化を支える萌え要素の規則そのものを変えてしまった。その結果、たとえ、『エヴァンゲリオン』そのものを意識しない作家たちも、新たに登録された萌え要素(無口、青い髪、白い肌、神秘的能力など)を用い、無意識にレイに酷似したキャラクターを生産するようになってしまった。