あさっての方向の演出について

久しぶりに泣きました.ここ数年,AIR以降泣けるアニメが無かったが,ついにきた.うん.
そして,このアニメは演出も結構面白い.
一番今注目している演出は”大人の顔を極端に嫌う”とこ.

とりあえず大人が出てくると顔を出さない.フレームから出したり,光で飛ばしたりしてとにかく消してる.
この手の演出は絵本なんかでよく使われたりしていて,親の顔なんかを消して,読んでいる人のノスタルジーを重ねられる様になっていたりする.
んで,このアニメはもちろん絵本的な効果も狙った上で,この演出に,さらに意味を追加している.
このキャラは妹のために自分の想い人を犠牲にした訳だが,この様に徐徐に顔が隠されていく.

これは明らかに彼が大人になっていったことを示していて,片目だけ出ているのは大人になりきれていないことを示唆している.
つまり大人になると徐徐に顔を遮蔽するものが増えてゆき,最後には消えるのだ.
それは計算高くなったり,正直に生きられなくなったことを意味しているのかもしれない.
この演出がどこまで徹底されているかわからないが,こーゆーところにも注目すると面白いかもかも.

このキャラも自分に正直に生きることができなかった一人で,この娘の場合はそれを眼鏡で表している.