オタクはまた弾圧されるのだろうか?

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メディアの思惑

京都16歳少女斧で警官の父を殺害 政治/動画 - ニコニコ動画『Today'sムーブ・斧で警官の父惨殺 「16歳少女」に何が?』

  • 斧で首を切りつけるという奇行
  • 殺害前に黒い服に着替えるなど儀式っぽい
  • 専門学校生(何の専門学校かはわからないけど,オタク系ではないか?)
  • 漫画家などになる夢をイラストで描いていた*1
  • ホラー映画などにも興味があり、血を見るのが好きだともいう

といった状況を受けて,このムーブのニュースでは,少女が漫画・アニメ・ゲームなどに影響を受けて事件を起こしたのだろうという見解を示し,具体的に影響を受けたであろう作品として『ひぐらしのなく頃に』を挙げている.
これで少女の部屋の写真でも公開されて,本棚に『ひぐらしのなく頃に』をはじめとするオタク作品(ちょっとダーク目なやつ)が詰まっていたりしたら……宮崎事件のような事態になりかねないな,とそんなことを考えている.

オタクに対するバッシング

宮崎事件(東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件)というのは,有名だから知っていると思うが

3歳から7歳という低い年齢の女児が被害者となったり、挑戦状を新聞社に送り付ける・野焼きされた被害者の遺骨を遺族に送りつけるなどの、極めて異常な行動を犯人がとった
(中略)
宮粼がいわゆるおたく・ホラーマニアとして報道されたことから、同様の趣味を持つ者に対して強い偏見が生じた。特に、宮粼が殺害後の幼女をビデオカメラで撮影、これらを膨大な数に及んだコレクション・ビデオテープの中に隠し持っていたという点で、現実と空想・妄想と犯罪行為の境界が曖昧で、明確な規範意識の無さが犯罪に及ばさせた
(中略)
おたく文化の基盤であるアニメーション産業に対する、バッシングにまで発展している
東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件 - Wikipedia

といった事件だ.
押収された「5763本ものビデオテープ」は当時オタクたちの中で話題になり,「俺の棚といっしょじゃないか!?」とか「勉君もこの作品とこの作品を3倍速で撮ってる!」とか,自分たちと大犯罪者との類似性を見せ付けられて,親近感を持った人がいたかもしれないし,自分たちの犯罪性に気づいた人もいた.

当時オタク業界はロリコンブームで賑わっていたのだけれど*2,この事件が決めてとなり社会的なバッシングにより衰退を余儀なくされた.

80年代には「新人類」という言葉に象徴される世代間文化の断絶、自らの嗜好やファンタジーを突き詰めて「内閉的」とみえる文化を作り上げた特定の若者層への、一般社会からの漠然たる不安があった。(中略)これらの不安は現実に裏付けられたとも感じられ、法的規制の正当性が主張される契機ともなる。
ロリータ・コンプレックス - Wikipedia

そして,これ以降オタク雑誌で頻繁に使われていた「スーパーロリータ」とか「ロリコン特集」といった言葉は姿を消した.


今回の京都の父殺害事件がきっかけで下手をすれば,あのときのようなオタクへの大バッシングが起きるかもしれない.
というのも,近年オタク文化を手放しで持て囃している状況が続いているからである.電車男に始まり,倫理的に如何なものか?といったものまで,映画化したり実写化したり,特集を組まれたり…今までに無いくらいオタクにとって幸せな状況が続いているからである.


そろそろよりもどしが起きてもおかしくない…そんな不安が私の中にあるからである.
少なくともこの番組(Today'sムーブ)を作ったディレクターの中には,”それ”を望んでいる人がいることは確かだと思う.

*1:http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200709180069.html

*2:すでに法規制などされ始めていたが