秋葉原無差別殺傷事件とセカイ系の想像力

前回のエントリ(秋葉原無差別殺傷事件 - WebLab.ota)に

自分がいかにダメなやつか、自分がどれだけ嫌われてるか、自分の苛立ち、自分の孤独、自分の鬱屈、自分、自分、自分!最後に必ず「悪いのは俺」と自己完結 
「好きになった」: 誰でもよかった男

…ほんと良く見るよね.EVA以降の作品には特に顕著に見られる思考回路.そして,最終的に破滅的な行動に出てしまうところまでも.

と書いたので,秋葉原無差別殺傷事件セカイ系で説明してみることを思いついた.

加藤智大は自意識過剰

セカイ系

セカイ系とは - はてなキーワード
過剰な自意識を持った主人公が(それ故)自意識の範疇だけが世界(セカイ)であると認識・行動する(主にアニメやコミックの)一連の作品群のカテゴリ総称。

とあるように,主人公は自意識過剰でなければならない.
で,加藤智大はいろんなところで指摘されているように,自意識過剰ぎみだ.

加藤容疑者の特異な恋愛観、女性観について、臨床心理士矢幡洋氏は「自己愛が強すぎるところに原因がある」と分析する。
http://netallica.yahoo.co.jp/news/37569

のように,自己愛として整理してもいいし,自意識過剰と整理しても問題ないと思う.

「きみとぼく」と世界

セカイ系は,自意識過剰であることと

[きみとぼく←→社会←→世界]という3段階のうち、「社会」をすっ飛ばして「きみとぼく」と「世界」のあり方が直結してしまうような作品を指すという定義もあるようだ。
セカイ系とは - はてなキーワード

ともある.
で,今回は「新世紀エヴァンゲリオン」「涼宮ハルヒの憂鬱」「秋葉原無差別殺傷事件」の図を作ってみた.




父親から逃避し,面白くない社会に絶望し,コンプレックスから社会とコミットすることを拒絶した彼らは,個人的な「きみとぼく」の関係に逃避する.
しかし,その身近な関係の中でも拒絶されたり,期待した以上に面白くなかったり,年齢的に限界を感じたりする.

秋葉原殺人男“女”と劣等感「幸せ者は死んでしまえ」
「これまでは2D(アニメなど2次元世界)にしか興味なかったけど、そろそろ3D(現実世界)に落ち着かないとヤバイ。というわけで(彼女を)紹介してくれ」と頼んでいた。

で,結局破滅的な選択をしてしまう.(加藤は世界を破滅させるだけの力がないので,秋葉原(彼にもっとも近い世界の一部)どまり)


…という感じ?