秋葉の路上パフォーマンスと声優イベントのオタ芸とオタク

まず今後一切、私が出演するステージではオタ芸といわれるものは禁止にしたいと思います。
「迷惑行為」になるようなオタ芸はしていない!場所を選んでいる!と言う意見もあるかもしれませんが、結局はそれが発展してしまって「迷惑行為」になっているわけなので。
そもそもステージを見ていないという行為が私は好きではないのです。
榊原の気持ち - LOVE×TRAX 榊原ゆい公式ブログ(改行をいくつか削除している)

という事件に対する,このエントリ

”ヤンキー的なメンタリティーを発揮するオタク”の自分勝手な言動は、最近目に余るものがあった。

今回の場合では「ライヴという公共の場で、アーティストの意向に反して自分勝手に騒ぐ人々」。彼らは、秋葉原歩行者天国でコスプレをしてエアガンを打ち合ったヤツらや、茅原実里さんのライヴで野次を飛ばし続けたヤツと同じ、匂いがする。
(中略)
榊原ゆいさんはオタク嫌いの声優である」という、間違った認識が広まってしまうことだ。
(中略)
榊原ゆいさんはオタクそのものを否定しているわけではない。
(中略)
彼女が今回ブログで語ったことの意味は、言うまでもなく”真のファンを守りたい”という、ただその一点のみである。
【EX-SPECTATOR】by 冨田明宏

要するに,「今回暴れた奴らは俺たちオタクとは違う!」ということなのだろうが,この認識でいいのだろうか?
このエントリでは,今回暴れた奴らを「ヤンキー的なメンタリティーを発揮するオタク」としているが,オタクそのものではないといい,ステージを見守ってくれる「真のファン」だけが,オタクであるみたいな認識をしているように思う.
大きなオタク内部で,自分に近しいオタクだけを真といい,ちょっとでも違えば,「あれは俺たちとは違う!同じオタクという枠で括ってくれるな!」と言い張ってる.(内ゲバやってるようなもんだ)

オタク内部の問題だと思う

こういった変な線引きの問題は,秋葉原の路上パフォーマンス』でもあって

今回の記事の破廉恥女と、それに群がるドブネズミのような男どもをみる限り、この人達がオタク文化を理解し、そのオタク的趣向を理解したうえでパフォーマンスを楽しんでいるようには、どうしても私にはみえないのだ。こいつらは、従来からのオタクじゃない“余所者”なんじゃないのか。なんとなくだが、旧来の意味でオタクを自称している人達や、古くからアニメやゲームに親しんでいる人にはみえないのだ。
“趣都秋葉原”終了の予兆としての破廉恥パフォーマンス - シロクマの屑籠

という違和感であったり,DQNが増えてきた」なんていうことを言っている人もいたりする.
けれど,基本的には

そしてそれに群がってる連中は群集心理と集団の匿名性で羞恥心が麻痺したオタク達だ。
(中略)
そもそも秋葉原歩行者天国の路上パフォーマンスはコスプレの人>美人レイヤーの撮影会>露出レイヤーの登場(てけとう)みたいにどんどん過激な方向に成ってきて、その極北が尻出し自称アイドルなんだと思う。そう考えると確かに今回の行為だけを見るとオタと全然関係ないエロパフォーマンスに見えるかも知れないのだが、経緯を考えるとこれはレイヤーによるコスプレパーフォーマンスの(間違った)延長線上にある様に見えるので、オタ的なるものと評価されるかも知れない(僕は悪い意味で「オタっぽいなー」と思った)。
http://d.hatena.ne.jp/pbh/20080318/1205820007

とか

だいたいさ、通り沿いの同人ショップに入れば幼女から熟女、亜人間、妖精、獣、異星人、ロボット、更にはショタっ子からダンディなおじ様までのありとあらゆる痴態を消費できる環境で、路上で変なねーちゃんがパンツ見せてたくらいでいきなり「破廉恥な!」なんて普通思わないんじゃないの?
(中略)
これって本来は、オタクの「内在的問題」としてある種自己批判するべき問題なんじゃないのかな
例の「破廉恥パフォーマンス」って単に「オタクの欲望」が漏れだしただけなんじゃないの? - 想像力はベッドルームと路上から

といった認識をしたほうが,たぶん正解に近い.


今回の『オタ芸』にしたって,オタク外部の問題ではない.原因は,オタク内部にもともと存在していて,それが今回はこういった形で噴出しただけの話だ.
「俺はオタ芸なんてしたことないから,奴らとは関係ないし,奴らはオタクですらない」と彼らを切り捨てようとしているが,それはトカゲの尻尾きりのようなものなのではないのか?
「あいつらは,声優ファンじゃなくて,ただ暴れたいだけのバカで,DQNに違いない.だからオタクではない.排除してしまえ!」なんて本気で考えているのだろうか?

声優のイベント

今回のオタ芸をやってる人たちに向かって,「ひどいDQNがいたもんだ」とか言ってる人がいるけれど,声優イベントって昔からそんな感じだったと思うんだが?

→ 握手のときイベンター一味が集団で無視、田村ゆかりを泣かせる
(中略)
→ ファンクラブ優先席付近で一部ファンが暴れて会場の壁や天井が破壊される
人気声優受難の歴史 ウォッチ!声優さん

とか,「矯正してあげてもいい」発言*1とかも含めたら結構な量になりそうだ.

13日の日曜日」に近所の公園に集まり13時に合言葉を唱和するというミニイベントも提唱されていた。この際5人以上が集まれば番組に申し込むことで「支部」として認められる制度も存在していた。この「合言葉はBee!」は駅の掲示板に書き込まれるなど、一時社会問題ともなった
ツインビーPARADISE - Wikipedia

なんて,ひどい状態になったこともある.
(だからオタ芸もやっていいなんて思っちゃいないが,オタクって昔から加減を知らないモノだし…)