2007年4期のアニメを振り返って

基本的にだらだら書いて行く．

前置き

今期は放送する前から辛いことになりだろうなぁとは思っていたが，本当に悲惨な状態になってしまった．（来期よりはマシな気がしますが）
しかしネガティブなことばかり書いていたら辛くなってしまうので，楽観的に書いてみる．（しかも無責任に）

感想

今期では無いけれど，とりあえず電脳コイルだろう．面白いSFだったなぁ……しかしSFならばD.C.2も忘れてはいけない*1．（BULE DROPや神霊狩がSFとしてあったけど，士郎正宗先生には申し訳ないけど切っちゃった．一応後で見ようとは思ってますから許してください）
今回のD.C.2は「ロボットと人間はいつか仲良くなれるのだろうか？」というアトム以来日本マンガの伝統でもある命題を使ったSFでした（つか「妖怪と人間」とか「死神と人間」といった対立の間に挟まれる主人公…ってのは少年漫画の伝統でもある）．
二つ目の主題として主人公とヒロイン（人間）の恋愛のもつれ…が一応あって，「主人公は人間とロボットが分かり合える世界を望み，実現のために努力しているのだが，実は自分の彼女とすら分かり合えていない」…というちょっと意地悪な状況があり，深めていけば面白そうだったのだけど，まったく発展せずに終わってしまった．
それにしてもこのアニメはいまいち何がやりたかったのか解らなかった．ロボ娘と人間の確執も解消できた…と思いきや，結局ロボ娘は機能停止・永久凍結されてしまったのだろうし，途中で金八先生みたいな展開（問題を起こした生徒を理事会が退学処分→全生徒の嘆願＆授業ボイコット）になったのにも関わらず，結局退学しちゃうし…
主人公とヒロインの恋愛も，第一話でカップルになり，最終-1話目に別れて…もちろん最終話で復縁するのだろう…と思っていたら，最終話はほとんどヒロインに触れずに終了しちゃうし……つかエロゲ原作（？）にも関わらず主人公が最終的に誰とも付き合っていない状態（近い将来付き合う予定があるという状態，つまりフラグが成立している状態ですらない）で終わってしまうってのも，結構センセーショナルだったりしました．

あぁ，そういえばナイトウィザードも面白かったですね，今期は．久々に「アニメらしいアニメを見た！」って感じがしました．「実写にできるものならしてみやがれ！」みたいな？
最近はらき☆すただとかみなみけだとか，げんしけん・ひぐらし・こどものじかん・スケッチブック…どれもナイトウィザードに比べれば身近な世界．世界を背負って戦う主人公！敵さんは神に等しい力を持ってるし，とにかく話がでかい．出てくる名称も恥ずかしくなるぐらいでかい．中二アニメとか言われていますが，なんかすげー懐かしい感じがして素敵でした．

あと一つ書きたいのはMyself; Yourself．これは登場人物ほぼすべてがどっか狂っているという奴（金田が唯一の救い…という変なアニメ）．主人公はリストカット野郎，主人公の親友（悪友）は姉弟で駆け落ち（子安＋田村），ヒロインは記憶喪失＆いろいろ病んでる，ヒロインのライバル的な位置にいる女性はヤンユリという新ジャンルを確立するなど．
前半のいつものエロゲ原作アニメ特有の軽い空気から一転，後半の怒涛の伏線回収・驚きの新事実の発覚・唐突の欝展開……
別にそういった展開が一本の筋の通ったストーリーになっているわけではないし，それらが複雑に絡み合って話が進んでいくわけでもなく．唐突に発芽して，本筋（？）に何も影響を与えないまま収束するという現象を繰り返す…オムニバス作品をカットバックして見せられているような不思議な作品だった．
未だに，老人ホームのお婆さんの話と，姉弟の駆け落ち，またその姉に恋するヤンユリの告白がどう絡んでいるのか見えてこない．時系列では繋がっているし，確かに前に起きたイベントがトリガーとなり次のイベントが起こっているのだけれど（例えば，ヤンユリは老人ホームのお婆さんに刺されて，「罰が当たったのよ」という台詞だけで唐突に罪の告白をし始める．私にはあそこで罪の告白をする因果が全くわからないし，あれでお婆さんの役目が終了ってのも納得がいかない．），それらは疎結合っぽい…というか，ほとんどバラバラ．
意図的に繋がらないようにしているようにすら感じてしまうほどにバラバラ．それでありながら，突如見せ付ける洒落た伏線回収…この不思議なバランス感覚で興味を繋げて，１クール見続けてしまったし，後半は毎週楽しみに見ることができたので良かったなぁ．