肥満とオタクは伝染するのか?

http://wiredvision.jp/news/200708/2007081020.htmlという記事を読みました.(果たして,どの程度信頼できる記事なのか…)
この記事によると,肥満は一種の伝染病なのだそうだ.


この記事では,今話題になっているらしい「大規模な社会的ネットワークにおける32年間での肥満の伝播について」という論文を紹介してくれていて,それによると,

米国立心臓・肺・血液研究所(NHLBI)の主導によりマサチューセッツ州のフラミンガムという町で行なわれている有名な疫学調査『フラミンガム心臓研究』(FHS)の成果であり、1万2000人以上を対象に、32年にわたって計測を行なった
(中略)
FHSの研究者たちは、太った人は太った友人を選ぶという単純な可能性を考えて補正を行なったが、それでもなお、ある人が太ると、その友人たちが同じ道をたどる可能性は57%高くなるという結論に到達した。

といったことが書かれているらしい.つまり,

ある人の体重が増えると、体型についての許容範囲が広がり、周りの人も、自分の体重が増えてもさほど気にしなくなる

という

互いを認め合う「I'm OK, You're OK」のメカニズム

が,肥満に関して,疫学調査の方法論で科学的に因果関係が明らかになったのだそうだ.

簡単に言ってしまえば,「人は低きに流れる」ってことが,疫学調査で一応科学的に明らかになったってことだろう.低きに流れるって解釈は「I'm OK, You're OK」とか「許容範囲が広がり、気にしなくなる」といった言葉のニュアンスから来ている.「頭のいい人が周りにいても,努力しなければ頭は良くならない」ってことになるのだろうと理解している.
感覚的には頭のいい人が周りにいたり,痩せている人ばかりいるところでは,頭が良くなったり,痩せたりするんじゃないかな?と思うのだが,今回の調査は,これを明らかにしたものではないと思われる.


そして,やはり肥満が感染するなら,オタクも感染するんだろうな〜ということを考えずにはいられない.ちょっと前からオタクがすごい勢いで増えているように感じるのは,このせいなのかもしれない.
電車男やらで一般に認知されたことで増えたとか,第三世代みたいな軽いオタクが台頭してきたからだとか,チェック男子だとか,エトセトラエトセトラ…いろいろ,オタクが増えた理由は考察されてきたけれど,その中に”ネットワークを介してオタクは伝播した”といった視点を入れてもいいだろうと思う.


肥満は友人関係とか,会社とか学校とかそういった社会的なネットワークによって伝播したのだろうが,オタクはインターネットというネットワークを介して伝播することが可能だ.これは,肥満は基本的に視覚で認識されるものだが,オタクは生き方や知識量で認識されるものだからだ.
ブログや掲示板やニコニコ動画なんていうネットワークを介して,時間や空間的制約から解き放たれた場で,伝播するオタク…恐ろしい話だ.



「肥満もネットワークで伝染」疫学調査結果が引き起こした騒動 - 杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログ