BSアニメ夜話「時をかける少女」

ゲドより面白い!「時をかける少女」大批評会(BSアニメ夜話
【 6月28日(木) BS2 0:00〜 0:55】
http://www.j-cast.com/tv/2007/06/22008563.html

ゲドが面白くないかは知らないが、「ときかけ」も十分に面白くなかったわけで、これをみれば面白くなるかも?と期待しております。

まぁ確かに、小説の「時をかける少女」よりは面白かったけれど、この映画も何故そんなに評価されているのかわかりません。(小説はジュブナイル小説ということもあって、私のような大きくなってから筒井を知った人間にとっては七瀬三部作と比べて同じ作家とは思えない内容の薄さとエンターテイメント性の欠如に愕然としたものです)
私は、今回の映画『時をかける少女』を、中盤まで楽しく見ていました。けれど、最後の感動的なシーンで、SF的な設定を完全に無視して物語が進みだして、一気に冷めてしまいました。

説明すると、主人公の時間と能力の関係が矛盾しています。
未来人のカウントが増えたのは理解できますが、主人公のカウントが増えたのは何故なのでしょうか?
未来人の方は、未来人のカウントがゼロになった記憶の無い状態(つまりカウントが1の状態)の時間に主人公は飛んでますから、カウントが戻るのは解ります。もちろん未来人はカウントがゼロになってしまったことを知りません。
しかし、主人公は、カウントがゼロになった記憶があります。もっと言えば”事故を止められなかったという記憶”があります。
未来人の彼はもちろんそれらの記憶の無い時間に飛んでいるにも関わらずです(カウントが戻っているということは)。
あれあれ?

あれは、CLANNADで渚が自宅出産をして死んでしまったときに感じたさめ方と似た感覚でした。

ついでに、CLANNADの話もしますが、「母子ともに危険です」「中絶しましょう」「覚悟しておいてください」とまで言ってるのに、自宅出産するなんて自殺に等しい行為ですし、させる医師や病院なんていないでしょう?
あのシーンで渚が死んだとき(2週目以降渚は死なずに生き残りますが)、「おいおい、これは責任問題になりかねんな。自宅出産を許可した医師は間接的に殺人を…医療ミス!?」って思いました(医療じゃないから、”医療ミス”とは呼ばないか)
大体そんなに危なかったら、どんなに当事者が無理を言ったって、入院→帝王切開だろうよと。
無理やりな自宅出産を止める法律があるかは知らないが、少なくともWikiには「妊婦、胎児ともに順調であれば自宅出産も不可能ではない」という記述があります。

閑話休題。去年はある程度楽しめるアニメ映画が、これ以外に無かったので仕方が成しに皆褒めてるのか…
それよりもパプリカでしょう?去年は!!
同じ筒井先生ならば、こっちを見たほうが面白い。
けれど、このアニメ映画は小説版『パプリカ』を読んでからでないと理解不能かもしれません。
しかし小説を読んででもみてほしい映画です。
まぁ小説を読んでいても、一回目の視聴は理解出来ず、二回目では説明不足を痛感し、三回目でようやっと真の面白さや凄さが理解できるといった具合ですから、既にパプリカを見た人も小説を読んでから、もう一度見てほしいです。
噛めば噛むほど旨みが出るとも云えますが、一回目の視聴で挫けてしまう人も多い作品だと思われます。しかしだからこそ我々筒井ファンは…(略