漫画史を語る(2):吾妻ひでお

ときめきアリス―定本 ときめきアリス―定本
吾妻 ひでお (2006/06)
チクマ秀版社

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1969年にデビューし、SF・ロリコン色の強いマニアックな不条理ギャグ漫画を描く。1970年代後半に一大ブームとなり、オタク文化に大きな影響を与えた。2005年に発表した自伝的作品『失踪日記』が評価され、ふたたび注目を浴びている。(吾妻ひでお - Wikipedia)

後に吉田戦車などが活躍する”不条理ギャグ”というジャンルを作った人。

70年代後半の吾妻ひでおの一大ブームはロリコンブームと併走している。当時からロリコンブームの立役者として評価されていた。
今でも存在しているロリコン漫画の祖が、この人である。

週刊少年チャンピオンで『ふたりと5人』を連載していた漫画家が自動販売機で販売されている『少女アリス』(エロ本)等でロリコン漫画を連載し衝撃を与える。
『別冊奇想天外』ほかに掲載した『不条理日記』がSFファンから絶大な支持を得るなどし、積極的に自閉をし始める。
夏目房ノ介曰く「ブラックホールのように果敢に自閉した吾妻ひでお」と評しており、この当時の”表現の解体”というテーマを推し進めた漫画家の一人として十分に評価するべきである。

80年代後半から有名な”失踪”をし始める。
いしかわじゅん曰く「10年ぐらいギャグ漫画描いているとアタマがおかしくなる」らしく、吾妻ひでおも同じくおかしくなってしまった。
後にアルコール依存になり、今も治療を続けている。
現在では、その失踪当時の思い出を『失踪日記』などで発表している。